TEST as LIVE〜諦めないで演奏せよ〜 ページ10
──これは酷い...。
聞いてて全く気持ちよくない。
さっきの演奏とは全く違う...。あの時の演奏とは全く...。
あの時はもっと、気持ちよかった。歌っててスッキリした。
「ね、分かったでしょう?ユイ」
「・・・」
「アンタがボーカルになるって決めた時の事は知らないけど、ホントにこの子達のメンバーに加わるつもり?」
ヨシの言葉は、今のユイには届いていない。
────どういうこと...?もしかして...。
「諦めないで!!!!」
そうユイが発すると、演奏がブツリと消えた。
「諦めないでください!怖がらないでください!皆さんの演奏は、そんなんじゃないはずです!」
「何を言って──」
「スカブルがいるからって、そんな演奏してはダメですよ!どうせダメだって思わないでください!私は本気なんですよ!!!」
ユイは、ステージ上にいる3人に、そう怒鳴りつけた。
「私はあの時の演奏に、心を打たれて!!あの時一緒に歌ったんですよ!!!!!!」
「・・・」
「スカブルのことなんか気にしないで、普通に演奏してください!!!!!」
「・・・!」
3人は、ユイの言葉に反応して、また演奏を始める。
その演奏は、あの時と同じ、気持ち良い演奏。
その演奏を聞いたヨシやその他のメンバーは、口をあんぐりと開けていた。
「これでも、ダメですか」
「・・・いや....何よこの演奏...」
「・・・」
「凄くいいじゃない!」
ヨシがそう発したとともに、曲は終わった。
「フン!だから言っただろ」
「お前、なんか言ったか?」
セイがカッコつけでそう呟くと、すかさずコウがそう聞き返す。
「言ったし!良い演奏って言ったし!」
「アンタたちは、この子達がちゃんとしたバントになれると思ってる...?」
ヨシは下を向きながら、セイとコウにそう問う。
セイとコウは、同時にその質問に笑顔で答えた。
「もちろん!」「だから言ってるじゃねぇか!」
「そう...。なら勝手にしなさい」
そう言いながらヨシは、建物の中から姿を消した。
「だ、そうだけど......」
「ヨシさん!!!!」
ユイは、急に駆け出して外に向かった。
「ヨシさん!」
ユイは、ヨシを探しに海辺までやってきた。
すると、ヨシは海を眺めながら岩石に座っている。
「ヨシ...さん...」
「悔しいなぁ〜。アタシたちより演奏上手くなってるんだもの」
「・・・」
「話、聞いてくれる?」
ヨシはそう言いながら、ユイに振り返った。
「もちろんです」
「アタシが元ボーカリストってことは知っているわよね」
「はい」
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作者名:Hi-chan | 作成日時:2017年6月27日 16時