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SUMMER LIVE〜熱も本気もめりこんで〜 ページ33

「わかったわ。本当に簡単なやつだけど、発声練習ね」
ライは、ため息をつきながらそう言い、ユイに発声練習―のようなものを教え始めた。
一通り教え終わり、ユイがそれを実践してる最中に、それぞれの練習時間は終わってしまった。
「やばい!練習してない!」
「大丈夫よ。いつも通り歌えばそれでいいの。上手くやろうとかは思わなくていい。今のうちはね」
ユイが焦り始める中、ライは優しい声でそう教えてあげる。
「は…はい…!!」
「発声練習したから声は出るはず。心配だったらサビだけでも歌っておきな」
ライは、去り際にそう言いながら歩いて行った。
ユイはライに言われた通り、一度サビを歌ってみる。
『僕と歩いた砂浜の足跡 海の音 波が揺れて 』
――うん、良い調子だと思う。
ユイは、心の中でつぶやいたあとに、他メンバーと合流した。
「ギターも順調!」「同じくギターも順調!」「バンドも順調!」「歌声も順調!」
キラ・カイ・アキ・ユイの順番でそう声を発し始める。
「俺ら!」
「「「「MAINS YOU OFF!略して、MYO」」」」
これは、一か月前に突如決まったMYOの円陣だ。
ライブ前や練習前はもちろん毎回これをやることに決まったのだ。
「さ、合わせるはよ!位置について!」
ヨシは手を叩きながらそう合図する。
その声を聞き、MYOは位置に付いた。
「じゃあまずは、『FANTASY in COURAGA』からね。明日ライとコウが出かけてしまうから、今日しっかりやっちゃうわよ!」
「はい!」
大きな声で返事したMYOは、演奏体制に入った。
ここから、2時間弱の間に必死に特訓した。
スカブルの熱も、MYOの本気も全てめり込んで、寄りよいライブにしようという、全員の想い。
今にもそのライブ会場に、湯気が出て火が燃え上がってくるのではないかというぐらいに、必死に練習した。
2時間後、熱中症でも起こしていないかどうか確認しようと練習をやめて休憩にする。
「熱中症には気をつけなさい。飲みたくなくても飲むこと!ユイは水を飲みなさい。お茶は油でダメだからね!」
「はい!」
ユイはあらかじめ言われてた通りに、水を持参しておいた。ユイはそれをゴクりの飲み込む。
「熱中症になってないわよね?」
「大丈夫だっつの」
カイは、ヨシに向かってそう吐くと、携帯を付けたしまだなにかを言う。
『兄さんじゃあるまいし、2時間ちょっと練習してたって死にやしない』
「ちょ…!!それどういう意味よ!」
「ヨシ、休憩時間ぐらいあんたも休みなよ」

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設定タグ:バンド , 音楽 , 小説   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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作者名:Hi-chan | 作成日時:2017年6月27日 16時

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