チャラいお兄さん (ページ15)

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You side

「てかお姉さん彼氏いたんだね」

「うん、元だよー、元。高校からね。結構続いてたと思ってたんだけど」

「想ってたのは私だけだったみたい、」

「俺ならそんな思いさせねぇけど」

真剣な顔でそう言うあなた。そうだね、そんな思いしないんだろうな。でも

「ごめんね、好きじゃないから。」

「ん、いーよ。俺もまだ惚れてないって知ってから」

どうしてそんなに優しいんだろう。ありがとう。

でも、でもね。きっとそんなに時間はかからないよ。
一緒にご飯を食べて楽しいから。話していて笑えるから。

「惚れてないけど、幸せだよ。田中」

「じゃあ次は名前呼びまでいきたいわ」

あ、へラッと笑顔に戻った。なんか可愛い

「もう10時かー、俺おくってくよ」

「いいよ、電車乗るし」

「お姉さん可愛いからだめ。いやらしーいことされちゃう」

なんて野郎だ。本人の前なのに･･･。
まぁ、いいか。

「じゃあお願いするー。」

「ん、じゃあ荷物持ってね」

立ち上がった瞬間。ずっと座ってたからなのかお酒が入っていたからか。よろけた

「うわ･･･！」

「っとーあぶな！おねえさん」

支えてるからか顔が近い。

ばちり、と目が合って逸らせられない。
きっと10秒は見つめあってた。

顔、あつ

「っふ、耳赤いね田中。」

「お姉さんこそ顔真っ赤じゃん」

顔真っ赤じゃないのずるくない？
なんだか経験豊富ですみたいな感じで嫌だなー。

悔しい。

あれからお会計を済まし今はタクシーの中。
リズム良く揺れる車内に眠たくなってくる

「お姉さん眠い？住所教えてるから寝てていーよ。」

「んー、いや頑張る･･･。」

上まぶたと下まぶたの仲がよすぎるせいで目が開けてられない。

あーだめだ、寝てしまう･･･。

「寝顔も可愛く見えるって俺重症化もしんねー。」

「お姉さん、家ついたよ。」

ペチリと頬を叩かれる。
お金は田中持ちらしくまたもや奢りの形になった。

「部屋の前まで来なくても大丈夫なのに。」

「俺過保護なのよー。」

「ふーん」

「お姉さん冷たいなー！」

さっき照れちゃったから。お返ししてあげよ。

「じゃあまた今度。おやすみ、ジュリ」

「え、いま名前」

パタン

「ふふふ」

顔が熱いのは･･･気の所為にしておこう。