チャラいお兄さん (ページ12)

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You side

またあの食事から時間が進み季節は夏になった
その間にナンパには会わなかったの？

と思うだろうが私の務める会社は夏本腰を入れる製品を売りにしているので中々休みが取れないのだ。

なので私は夏が少し怖い。
でも最近はもっと怖いものができた

ナンパを心待ちにしている自分がいることが何より怖い

久しぶりに声を聞きたいと思ってしまっている。
これほど怖いものは無いだろう

連絡先、交換してもいいかな･･･

いや待て！私！それは違うだろ！！

[佐藤さん？明日の流れここに置いといたから頼むよ]

「はい、分かりました。通しておきますね」

営業部からの異動･･･役割･･･新人指導者･･･佐藤A･･･。

え？私指導やるの？えー、やだやだ異動とかろくな奴来ないでしょ。

めんどくさいのがまわってきたな･･･。

異動したのが、まつ･･･松村北斗？
聞いたことない･･･。面識無さすぎるのやだなー。

[お前らー！今日緊急会議でほとんどこっち居ないから今日あがりでいいぞー]

「まじか･･･」

なんてグットタイミング。

外に出れば会えるだろうか
髪は乱れてない？汗の匂いはしない？何だか恋する乙女みたい。

高校ならこの感覚を楽しめたろうか。わからない、

会えるか分からないのに身だしなみを整えるのは意識しているから？

考えたって何も出てこない。まぁ、楽しんだ者勝ちだよね。

近くに職場があるらしい田中、探せば見つかると思ってた。
ここは東京。そんな簡単には見つかってくれないみたい

なんだ、私センサービンビンじゃなかったのかい
男の人ってほんと嘘吐きばっかり、そんなことしても誰も幸せにならないのに。

___いや、結婚とか重すぎでしょ。そうゆうの全然考えてないわ･･･____

嫌なこと思い出したな･･･もう終わったことなのに無駄に記憶に残っていきやがって。

家に帰ろう、探すのも待つのも虚しいだけだ

ガッッ

「うぬぉっ･･･？」

おん？ヒールポッキリいってらァ･･･。
そんな漫画みたいな事起きるか、悲劇のヒロインかなんかか私は。

恥ずかしい、普通に恥ずかしい。
必死に働いたのに何が悲しくて街のど真ん中でヒール折れなきゃいけないのよ。

どうやって帰ろう、

「ヒールが折れて恥ずかしいそこのお姉さん。お手をお貸ししましょうか？」

王子にでもなったのか。田中ジュリ。