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【紫耀】





正直、Aと俺の母親が顔を合わせることを、怖いと思った。




それは母親がAのことをどう思っているのか、俺にはまるでわからないからだ。





子供ながらに俺は母親に気を遣っていたつもりで、Aのことを話したことは一度もなかったし、Aと撮った写真だって箱にしまい込んで見られないようにしていた。




親父と会った日も、家に帰ってから母親にAのことを聞かれたことなんてなくて、Aのことを話題にしないということが、いつのまにか母親と俺との間で暗黙の了解になっていたんだ。




だから今俺がAと一緒に住んでいることさえ知らない母親が、いきなりAと会って謝罪をされたらどうなるのか、考えると怖かった。




それに、俺宛に届いた母親からの荷物を見て自分の境遇を悲観してしまった繊細なAが、母さんと顔を合わせることに本当に耐えられるのだろうか。




考えれば考えるほど怖かった。





Aも母さんも、お互いに傷つくだけなんじゃないかって。







それであんなことを言ってしまったんだ。









「なんだよ、"許されない"って…」



「だってそうじゃん…私が何食わぬ顔して歌ってるの見たら、紫耀のママはどう思うかな?
きっと憎いって思うと思うよ?!」



「…だったら歌手になんかならなくていい。」






すぐにわかったんだ。


その一言で、Aの目に一瞬で涙が溜まったこと。






だけどそう言ったのは、Aと母さんを会わせることが怖かったからだけじゃない。






「お前が自分で自分の努力を認めて堂々と夢に向かっていけないんだったら…

誰かに許してもらわないと叶えられない夢なんだったら…

だったら歌手になんかならなくていいっ!」






伝えたかったんだ。





お前はちゃんと自分の力で夢を掴んだって、

過去に囚われずしっかり自信持って進んで行けって、

そう伝えたかったんだよ。






なのに…






「……もういいっ…紫耀なんか大っ嫌い!」







プレゼントに選んだ、シンプルなグレーのマフラー。




一気に寒さが増してきた今の時期にちょうどいいと思って選んだ。





だけどAはそれを俺に投げつけて飛び出して行った。









つづく




ーーーーーーーー



稚拙な文をここまで読んでくださりありがとうございます。

次回移行します。

引き続きよろしくお願い致します。

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設定タグ:King&Prince , 永瀬廉 , 平野紫耀   
作品ジャンル:タレント
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P(プロフ) - ななみさん» 大変有り難いお言葉をありがとうございます。妹だけでなく、紫耀君と廉君の関係性も大切に書くよう意識しているので、そう言っていただけると非常に嬉しいです。まだまだ至らぬ点もございますが、引き続きよろしくお願い致します。 (2019年5月28日 6時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キンプリの仲間の距離感が好きです。紫耀くんの包み込むような優しさ、廉君のひたむきな優しさ。どちらも素敵でドキドキします。続きをお待ちしてます。是非読ませてください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2019年3月7日 20時

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