検索窓
今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:26,942 hit

26 ページ26

【紫耀】




学園祭を前日に控え、俺はAが必要以上にナーバスになっていないか心配していた。




受験や発表会、試合、何か節目となる出来事が間近に迫った時は、そこに至るまでの日々を不意に思い出したりするものだから。






両親のことを思い出して苦しんでないだろうか?


出生の背景を思い出して胸を痛めてないだろうか?






頭の片隅でそんなことを考えながら仕事をこなし、息つく間もなく楽屋を飛び出すと足早に送迎車に乗り込んだ。






帰ったら、温かいものでも飲みながらゆっくりAと話そう。




明日の学園祭すげー応援してるってことをもう一度伝えて。




それから、できるだけ楽しい話をしよう。




明日はきっと、最高の一日になるから。




今日は二人でその準備をしよう。




最高の一日を迎える準備を。




楽しかったことだけを思い出してさ、




二人で腹が痛くなるくらい笑おうぜ?







「ただいまー。」




玄関に入るとすぐ、大きめの段ボールが目に入る。



ネットで頼んでおいた濡れおかきが届いた?



開けっぱなしになっている中を覗くと、お米やお菓子や果物がこれでもかというほどぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。




なんだ、いつものか。




一応貼り付けてある伝票を見ると、予想通り差出人の欄には俺の母親の名前が書いてあった。




毎年この時期になると、お米を作っている知人からもらったという新米を俺にもお裾分けしてくれるんだけど、


今年ももうそんな時期になったのか。




デビューしてからは時が流れるスピードが同じとは思えないほど、本当に毎日があっという間に過ぎて行くな。




なんてことを痛感しながら、剥がされたままになっていたガムテープを拾ってリビングに向かう。



けれどそこにAの姿はなく、もう寝ているのかと思い部屋を覗いてみてもAはいなかった。





あれ?

たしかバイトは代わってもらったって言ってたよな…




22時52分。




廉はまだ仕事してるはずだし、どこに行ったんだ?






"どこにいる?"



そう送ってみたものの、なかなか既読にはならず、


気を紛らわせるためシャワーを浴びてもまだAからの返信はないままで、電話をかけても呼び出し音が響くだけだった。

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
設定タグ:King&Prince , 永瀬廉 , 平野紫耀   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

P(プロフ) - ななみさん» 大変有り難いお言葉をありがとうございます。妹だけでなく、紫耀君と廉君の関係性も大切に書くよう意識しているので、そう言っていただけると非常に嬉しいです。まだまだ至らぬ点もございますが、引き続きよろしくお願い致します。 (2019年5月28日 6時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キンプリの仲間の距離感が好きです。紫耀くんの包み込むような優しさ、廉君のひたむきな優しさ。どちらも素敵でドキドキします。続きをお待ちしてます。是非読ませてください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:P | 作成日時:2019年3月7日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。