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俯いて黙り込んでしまった君に、俺はすがるように言う。
「なぁ、もう頼むからこんなんやめてな？
Aが傷つけられるの、俺耐えられへんから…」
「うん…ごめんなさい…」
小さな声でそう言うと、項垂れてじわりと涙を浮かべる君。
「わかってくれたんやったらそれでえんやって。
俺もその…感情的になってごめん…
まぁもう載ってもたもんはしゃあないし…うん、学園祭はちゃんと応援するから。」
男兄弟で育った俺は、ただでさえ女の子の涙に弱い。
「私…ダメだね…
廉君にも紫耀にも心配させてばっかり。
でも…夢は叶えたいよ…
なんて…こんなんじゃいつか廉君に愛想尽かされちゃうよね…」
やから俺のせいで彼女が涙を流すとこなんか見てもたら、それはもうとてつもない大罪を被った気がして、
とにかくすぐに君を抱きしめて、その不安を取り除いてあげたくなった。
やけどちょうど校舎から誰か出てくるのが視界に入って、ぐっとその衝動を抑える。
「…ちょっと来て。」
そして軽く君の背中に手を当てて、近くにある倉庫の裏へ誘導すると、そのまま後ろから君を抱きしめた。
「なぁ、A。
俺な、食べ物でも勉強でも何でもそうやけど、
嫌いなもんを好きになることはあっても、好きなもんを嫌いになることってないんよ。」
こくんと頷く君の頭に鼻をくっつけて、唇に髪が絡みつくのも気にせず、抱き締める腕に力を込める。
「やからな、何があっても俺がAを嫌いになることなんかないから。
Aが俺のこと嫌いになっても、俺は嫌いにはならんから。
っていうか、なろうとしてもなられへんと思うわ…
Aのこと好きって気持ちが、俺をつくる細胞の一部みたいになってるから。
やから俺が俺である限り、この気持ちはなくならへんってこと。わかった？」
俺の本気が伝わるように、ちゃんと目を見て言えたらカッコ良かった。
テレビの中の俺やったら、画面の向こうの何万人もを相手にしても、ばっちりカメラ目線で言えたやろう。
でも今ここにおる俺は、
たった一人を相手に目も合わせられへんヘタレや…
好きで好きでホンマに好きで、カッコつける余裕もないヘナチョコ野郎や。
それでも、
「うん…ありがと…」
腕の中でそう呟いた君の声が笑ってたから、
やから、
今はこんな俺でもえっかって、そう思えたんや。
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P(プロフ) - ななみさん» 大変有り難いお言葉をありがとうございます。妹だけでなく、紫耀君と廉君の関係性も大切に書くよう意識しているので、そう言っていただけると非常に嬉しいです。まだまだ至らぬ点もございますが、引き続きよろしくお願い致します。 (2019年5月28日 6時) (
レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キンプリの仲間の距離感が好きです。紫耀くんの包み込むような優しさ、廉君のひたむきな優しさ。どちらも素敵でドキドキします。続きをお待ちしてます。是非読ませてください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：P | 作成日時：2019年3月7日 20時
