俺と彼奴とシンデレラ２ (ページ9)

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"門限は0時だからな。"

快諾、ではないけど、

肯定してくれたってこと…やんな。

ぶっきらぼうな言い方やけど、否定されへんかっただけで十分嬉しい。

でも悪いけど俺はお前の言うこと肯定できひんわ。

「ちょっと待って。何なん？そのシンデレラルール。」

「当たり前だろ。Aもお前もまだ未成年なんだから。」

「いやいやいや、なんでそんな保護者みたいなこと言うねん。」

「保護者みたいじゃなくて、事実Aの保護者なんだよ！」

「そうやけどっ！お前自分が10代やった時のこと思い出してみ？絶対彼女泊まらせたりしてたやろ？」

「知るか！そもそもお前はAを泊めて何する気だよっ！」

あぁ、ついこないだまでの悶々としてた自分に言ってやりたい。

「何って…そら…」

自信持って自分の気持ち曝け出せって。

「あーーもーっ！言うな！」

だって、こんなにも心地ええ。

「お前が聞いてきたんやろ。」

紫耀とこうやって、本音でぶつかり合えるって。

「るせっ！とにかく、いついかなる場合でも0時までにAを帰すこと！」

しゃーないな。

まぁ紫耀の気持ちもわからんでもないし…

「はいはい、わかったわかった。
でもAがハタチになったら絶対泊まらせるからな。」

それに俺、

もうこの心地良さ、手放したくないから。

「それまでお前がAのこと繋ぎ止めてられるかわかんねぇけどな。」

意地の悪いこと言ってきたりもするけど、

「おい、失礼やぞ。
そもそもなんでいきなり門限の話になんねん。

普通は"妹をよろしく"とか"傷付けたら許さんからな"とかじゃないん？」

それでも、此奴とおると心地ええ。

「は？お前がAを傷付けるようなことするわけないだろ。それくらい俺にだってわかるっつの！」

ほら、

紫耀はちゃんと俺のことを信じてくれてるから。

「…泣いていい？」

「鼻水垂らすなよ。」

紫耀。

俺、Aのことマジで大切にするからな。

絶対にお前の信用失うようなことはせんからな。

「あかん…鼻水出てきた…」

会いたい、Aに。

会って、この間の続きを聞かせてよ。

当たり前みたいにAを抱き締められる、そんな関係になろうよ。

"今日の夜会えへん？"

ティッシュを鼻にあてながら、俺は読み返すこともせずAへそう送った。