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あれから何年も経った。
大学生になって、デビューもできて…
周りから感じる重圧や背負ってる責任も、あの頃とは比べられへんくらい大きくて重いものになった。
それやのに俺、
また好きの気持ちに甘えて、溺れて、自分を失くしそうになってた。
紫耀に言われな、何も気付けへんまま落ちてくところやったんや。
「そう…やな…
紫耀の言う通り、俺仕事行くまでちょっと寝て休むわ。
やから病院は…紫耀に任せる。」
随分間を空けたわりに、素っ気ない返事やったと思う。
でも "紫耀に言われたことを否定せずに受け止める" これが今の俺にできる精一杯やった。
ありがとうを言うのは、もうちょっと気持ちに余裕ができてからでも…ええかな?
「おう。じゃあ俺下のコンビニ行きたいから、タクシー捕まえたらA迎えに戻ってくるわ!ちょっと待ってて。」
そう言って部屋を後にする紫耀。
そのいつものクシャッとした笑顔が、
"それでいいよ"
そう言ってくれているような気がした。
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作者名:P | 作成日時:2018年9月19日 22時