25 ページ25
「何やねん！いきなり大声出すなや。 」
「なんでAがお前の服着てんだよっ？！」
「はぁ？今さらそこ？
スカートで寝たらシワになるし、楽な服着た方が寝やすいやろ！」
「うるせー！正論言うな！なんでかわかんないけどAが男の服着てるのって、なんかすっげー嫌っ！」
「知らんわ！いちいち面倒やな。てかお前、ええかげん俺の上から降りろ！」
ホンマ言うと、紫耀の言う"なんか嫌"っていう気持ち、わからんくもない。
いや、めっちゃわかる。
俺かってAが俺以外の男の服着てたら、そんなん耐えられへんもん。
「あ、鳴った。」
「見せて？」
いつ以来やろ？
こんなに誰かに夢中になるの。
「37度6分…だいぶ下がったけど、まだ安静にしとかなアカンな。
俺今日仕事午後からやから、病院一緒に」
「廉。」
"一緒に行こか？"そう言い切る前に、遮るように俺の名前を呼んだ紫耀。
「何？」
はぁ…また出た。
どうせ俺が病院付き添うのが気に入らんとか言うんやろ？
「病院は俺が連れてく。廉はダメ。
お前ちゃんと寝れてないだろ？
まだ映画の撮影も残ってんだから、ちゃんと体休めとけよ。」
ん…？
もしかして普通に俺の体を心配してくれてる？
「や、俺は全然大丈夫やから。ほら今夏休みで授業ない分楽やし？
ちょっとくらい寝不足でも何とかなるって。」
確かに最近は連日映画の撮影でちょっと疲れ気味やし、あんまり寝れてへんけど、
でも俺はAのためやったらそんなん全然大丈夫やし。
ちょっとでも長く一緒におれるんやったら、うん、俺全然大丈夫。
「大丈夫とかじゃなくて、ダメだっつってんの。」
やのに紫耀は、語気を強めてそう言い放つと、ようやく俺の上から降りて、枕元に座りじっと俺の目を見る。
見下げられるのが嫌で、すぐに俺も起き上がり、睨むような目つきで紫耀を見返す。
やっぱり、俺がAに付き添うのが嫌なだけなんやろ。
「あんさー…もーその"妹は渡さない！"みたいなんやめてくれへん？いちいちダルいねん。」
「ちげーよ！そんなこと言ってねぇだろ。」
「じゃあ何なん？何でダメとか言われなアカンのん？」
責めるようにそう訊くと、紫耀は少しの沈黙を挟んでからため息混じりにこう言った。
「お前ちょっと、のめり込みすぎ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：P | 作成日時：2018年9月19日 22時
