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「お前、夜這すんなよ？」
「するかっ、アホ！」
結局紫耀は「朝まで2人きりにはしたくない」と俺の家に泊まることになり、
俺はリビングのソファー、紫耀はその下に布団を敷いて寝ることになった。
「なーんかこうやって廉の家に泊まるとか変な感じする。」
「まぁ、妹の彼氏の家に一緒に泊まるとか普通じゃないわな。」
「そうゆう意味じゃなくて！
ほら、廉俺とあんま話さなくなった時期あったじゃん？だから。」
カーテンを閉め明かりを消したリビングは真っ暗で、それぞれ寝転がっていて表情もわからなければ、どこを見ているのかもわからない。
でも俺が一方的に作った、言わば俺たちの"氷河期"について、こんな風にストレートに話をされたのは初めてで、
「もーうっさいねん、はよ寝ろ。」
過去の苦さと恥ずかしさから、つい尖った返事をしてしまう。
「はいはい、寝ます寝ます。
今日は色々ありがとな。お前んちに泊まれるのも、なんか嬉しい。」
やのに紫耀はそうやって真っ直ぐに飾らない気持ちを伝えてくるから、
なんか自分が情けなく思えて、
「……お前のそういうとこ…好きやわ、俺。
またいつでも泊まりに来たらええから。」
ぶっきらぼうやけど、俺も精一杯素直になって気持ち言葉にしてみた。
「…」
でも紫耀からは何も反応なくて…
「…紫耀？」
あ、もしかして照れて言葉出てこん感じ？
クッション抱きしめて悶絶してる感じ？
お前なんだかんだ俺のことメッチャ好きやもんな。
嬉しいんやろ？
ニヤついている顔を見てやろうと、ソファから身を乗り出して紫耀の顔を覗き込んでみると、
「って、寝とんかい！！」
紫耀は半口開けてすっかり眠りに落ちていた。
どこまで聞こえてたんやろ？
返事考えてるうちに寝てもた？
それとも全く俺の言葉聞かずに寝てもた？
もう、せっかく素直な気持ち口にしたのに何やねん。
このタイミングで寝るか、普通。
まぁ、でも、
どっちでもえっか。
たぶん、
寝てても、
此奴には届いてる気がする。
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作者名：P | 作成日時：2018年9月19日 22時
