俺と彼奴とシンデレラ２ (ページ19)

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「紫耀…？え…今何時…？」

薄っすらと目を開いた君はそう言うと、ゆっくり体を起こし、頭が痛いのかこめかみに手を当てる。

「もうすぐ2時。平気？頭痛い？廉がピーピーうるさいから起こしちゃったよな。」

俺を押しのけるようにして先に紫耀がAの背中を支える。

「おいっ！なんで俺のせいやねん！お前が無理矢理抱えようとするからやろ！」

俺はそう反論するけど、君は怯えたような目で紫耀を見つめ、

「紫耀…ごめん…
私鍵忘れちゃって…熱があって…それで廉君ちにお邪魔して…つい寝ちゃって…
えっと…本当に本当にごめんなさいっ…」

別に紫耀はAに怒ってるわけじゃないのに、必死で謝る。

目が充血していて、体を起こしているのも辛そう。

やのに紫耀は、なんとしてもAを家に連れて帰るつもりらしく、

「事情は廉から聞いたから。とりあえず家帰って、元気になったらゆっくり話そ？」

そう言って背中をぽんぽんと軽く叩き、Aに立ち上がるよう促す。

俺は俺でそんな無茶なことはさせまいと、

「A、ええから横になり。熱上がってるんちゃう？もっかい測ってみ？」

明らかに来た時よりも具合が悪そうな君に、サイドテーブルに置いていた体温計を差し出すけれど、君は首を横に振り受け取ろうとしない。

それどころか、

「帰らなきゃ…」

そう言って紫耀の手を借り、ベッドから出ようとするから、俺は咄嗟に君の腕を掴んで、繋がった君の手と紫耀の手を遮った。

「あかんって！なんでそんな無理して帰ろうとするん？」

つい勢い余って責めるような言い方をしてしまうと、

「だって…紫耀が…」

途端に酷く困った顔で口ごもる君。

何や？

君から感じる帰ることへの使命感みたいなのは紫耀が故？

わざわざ迎えに来てくれたから悪いとでも思ってる？

いや、でもそれくらいであんな怯えた目せんよな…

じゃあ何や？気になる。

「紫耀が何？どうしたん？」

心なしか視界の端に映る紫耀は、ばつが悪そうな表情で、

「A、大丈夫やから。言ってみ？紫耀がどうしたん？俺には言われへんことなん？」

どうしても理由を知りたい俺は、ちょっと強引に君の口を開かせた。