俺と彼奴とシンデレラ２ (ページ14)

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「ちょっと大きいかもしれへんけど、これ着て？スカート皺になるやろ？」

「あ、うん。ありがとう。」

俺から着替えを受け取って、ぐるりと部屋を見渡す君。

「キレイにしてるね。ソファも可愛い。」

「そう？ありがとう。このソファ最近買ってん。
ブラウンと迷ったんやけど、ほら、そこはやっぱ漆黒かなぁと思って！汚れも目立たんし長く使えそうやんっ？」

自分の部屋に君がおることが不思議で、ちょっとどころかかなり気恥ずかしくて、それを悟られないようつい饒舌になってしまう。

「あ、洗面室そこやから！着替えてき？
あとクレンジング？やっけ？使う？

俺仕事でメイクしたまま帰って来る時あるから家に置いてるんや。」

あ…でも女の人っていきなりスッピン見られるのは嫌かな…

俺は元々ナチュラルが好きやから気にせんけど、さすがにお節介やったかも…

「うん。じゃあお借りするね。」

「え？！」

「え…？ダメ？」

「いやいや全然ダメちゃう！好きなだけ使って！全部使ってもええからっ！」

うわ…俺わけわからんこと言うてる…

やってこんなにスッピンに抵抗感ないとは思ってへんかったんやもん。

あーもー…俺余裕なさすぎ。

でも、

「そんなに使うほどメイク濃くないですよ～。」

君がそう言って半笑いで口を尖らせてみせるから、なんか救われるような気分になる。

あぁ、この子は余裕なんか全然なくてとにかく君に必死な俺を、自然に受け入れてくれるんやなぁって。

「あ、タオル、これ使って！」

「うん、ありがとう。」

今はまだ全然ドキドキしまくりやけど、そのうちええ意味でこのドキドキが落ち着いて、

お互いが一緒におって楽で居心地がええって思えるような関係に、

Aとならなれる。

そんな確信めいたものを感じた。