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「前期単位大丈夫そう？」
「うん、全部取れそうだよ。
廉君は？仕事忙しいから大変なんじゃない？」
「いろいろ配慮してもらってるし、案外大丈夫やで。帰りが遅くなった次の日の1限はキツいけど。」
「私なんか夜9時に寝ても1限はキツいよ。」
「嘘やん。朝弱いんやな。寝起き悪い？」
「いい日もあるし、悪い日もある。」
「なんやそれ。天気みたいやな。」
タクシーの中での会話は、無難なものに限る。
今の俺には、それがちょうど良く思えた。
「そういえばAがバイトしてるとこの裏通りにあるラーメン屋知ってる？」
「えー…あのボロい店？」
「そう！あんな見た目やけど、あそこメッチャ美味いんで！」
「そうなの？並んでるとことか見たことないけど…」
「ホンマやって！今度行こ！絶対ハマるから！」
「うん。じゃあ、お腹が空いて限界なのに何も食べるものがない時に…」
「最終手段にすんな。ホンマに美味いねんから！」
単位の話、寝起きの話、ラーメン屋の話。
どれも当たり障りのない話やけど、そんな中にも俺の知らん君がおって、
また一つ二つとピースが集まり、俺の中の君が出来上がっていく。
「あ、そこで止めてください。」
そんな時間もあっという間に過ぎて、半分払うと言って君が握る財布を、強引に鞄にしまわせた。
「ありがとう。ごめんね。私が生活費もらってないって話したから気遣ってくれたんでしょ…」
「いや、そんなんちゃうし。
好きな子の前でカッコつけたいだけやから。」
思うままにそう言うと、言葉に詰まって俯く君。
そうや。俺、普通でおれるように頑張ってるのに、墓穴掘ってるやん。
「それに俺、もう就職してるし！職業アイドルやから！」
慌てて俺が付け足すと、君はほっとしたように笑顔を見せる。
積極的にいくのは、しばらく様子見かな。
告白した。
それだけでかなりの前進。
君が抱える問題は何一つ解決できてないけど、
とりあえず今日は充実した一日になった。
そんな呑気なことを考えていた。
「でも廉君ここで降りて良かったの？途中で降りても良かったのに。」
「えんやって！歩いても」
「A！」
"歩いても10分くらいやし"
そう最後まで言えなかったのは、
紫耀が君の名前を呼んだから。
「あれ…？廉？」
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P(プロフ) - ふみなさん» ありがとうございます。励みになります。頑張りますので、引き続きよろしくお願い致します。 (2018年9月11日 21時) (
レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ふみな(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年9月11日 21時) (レス) id: 5163432d21 (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - ランタンさん» 有難いお言葉ありがとうございます。そう言って下さると本当に嬉しいです。引き続き頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2018年8月4日 17時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ランタン - あんまり廉くん主人公を読んだことがなかったです。でもこの物語とっても面白かったです。これからも更新頑張ってください！ (2018年8月4日 13時) (レス) id: bdde880c20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：P | 作成日時：2018年8月2日 0時
