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【紫耀】





風呂上がり、いつものようにタオルで雑に髪を拭きながら、冷蔵庫を開け、水を取り出す。








「紫耀。」






ソファから俺を呼ぶAの声に返事をしたのは、キャップを開けて、水を一口含んだ後。





「ん?」









「私、ここ出てくね。」









"トイレ行ってくるね" と同じくらい自然で、



当たり前のように発せられたその言葉に、





一瞬含んだ水を飲み込むことも忘れてしまうほど、衝撃を受けた。









「は…?」






出てくって、出て行くこと?
ここから出て行くってこと?
それってこの家から居なくなるってこと?


いや、それはない。ないないない。


じゃあ、リビングから居なくなるってこと?


え?なに?俺聞き間違えた?









「一人暮らしすることにしたの。
部屋ももう契約してきたから、荷物まとめたら出てくね。」









え…?








聞き間違いじゃない…









一人暮らし?Aが?








嘘だろ?








"紫耀と一緒に暮らせて、それだけでもう満足してる"


ほんの少し前、そう言ってたAが?









嘘だろ?









そんなのありえないだろっ!









「はぁっ?!」








感情のまま叩きつけるように置いたペットボトルから、バシャッと勢いよく飛び散る水。








そんなこと気にも留めずに、ズカズカとAが座るソファの前へと歩く。









何かある。






たぶん、






きっと、取り留めもない理由だろう。






うん、そうだ。








「何?どうした?ここ気に入らない?
もっと広い所がいい?

あ、わかった!Aの部屋陽当たり悪いんじゃない?部屋交換しよっか!」







引っ越してまだそんなに経ってないし、ちょっと言いづらかった?






兄妹とは言え、一緒に住むのは初めてだし、ちょっと俺に気を遣った?








大丈夫。







Aが出て行くなんて、そんなわけない。







そんなわけがない。








俺たち、やっと一緒に暮らせるようになったんだから。









そうやって必死に自分に言い聞かせてみたけれど、









「紫耀、違うよ。
ここが気に入らないとかじゃなくて、私…一人で暮らしたいの。

自立したいの…

私と住む為にわざわざ広い部屋に引っ越してくれたのに、自分勝手で本当に申し訳ないとは思うんだけど…

でも、もう決めたから。」









Aはあっさりとそんな俺をねじ伏せた。

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設定タグ:King&Prince , 永瀬廉 , 平野紫耀   
作品ジャンル:タレント
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P(プロフ) - ふみなさん» ありがとうございます。励みになります。頑張りますので、引き続きよろしくお願い致します。 (2018年9月11日 21時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ふみな(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年9月11日 21時) (レス) id: 5163432d21 (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - ランタンさん» 有難いお言葉ありがとうございます。そう言って下さると本当に嬉しいです。引き続き頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2018年8月4日 17時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)
ランタン - あんまり廉くん主人公を読んだことがなかったです。でもこの物語とっても面白かったです。これからも更新頑張ってください! (2018年8月4日 13時) (レス) id: bdde880c20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2018年8月2日 0時

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