…カラフル… ～Donghae～ (ページ29)

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心が寂しいページ29

少しだけ…と思ってメイクを直す。

今さら何したって変わらないのに。

だけど少しでも彼に可愛く思われたくて。

そしていつの間にか分厚い化粧で着飾っている自分。

「お待たせ」

「うん、行こうか」

自然と手を差し出してくれるドンヘ。

そっと自分の手を重ねる。

するとギュッと握り返してくれて…。

それだけで浮かれちゃう。

「夕飯はどうする？」

「私なんか作ろうか？」

ポンと出た言葉。

お母さんと会話するような、そんなテンポ。

何も考えていなかったけどその言葉にドンヘは心底驚いた顔をしていた。

「どうしたの？」

「え、いや…うん。食べたい」

「そうする？別にいいよ」

このときには頭の中で何にしようかなーとか

どこで買い物しようかなーとしか思っていなかったけど

フと、あれ？って思って。

どこでご飯するの？どこで作るの？

え…ウチ⁇

あの寂れたアパートで？

「あ…うん。あの、別に気にしないで！外食にしよ…？」

「やだ！食べたい！」

「ウチなんてドンヘが来れるような部屋じゃないよ！」

「…でも、食べたい」

「や…でもドンヘがいつも食べてるような豪華なもの作れないし…」

するとドンヘはピタって止まる。

ちょっと悲しそうに…私を覗く。

「俺だって普段豪華なものなんて食べないよ…」

「え…？」

「俺も…Aとなんも変わんないんだけどな？」

私はいつの間にかドンヘに色メガネをかけていたんだろう。

…凄く、心が寂しかった。