エッグノッグ【西谷夕】 ページ3
「久しぶりだね、夕。」
そう言って私は久しぶりに会う彼氏に抱きつく。
「久しぶりだな、A！！」そういって彼も私を抱きしめてくれる。
私と夕は高校で知り合い、高校3年の卒業の日に付き合った。
そりゃまあ途中で喧嘩とかして別れたこともあったけど、やっぱり離れたら離れたで寂しくて、なんだかんだでもう7年も続いている。
今私が仕事の関係で東京にいるから、私と夕は宮城と東京で遠距離恋愛になってしまった。
それでも文句も言わずに、付き合ってくれている夕は本当に優しいと思う。
「でも、東京まで来てくれてありがとう、夕」
「いいんだよ！それにしても、キラキラしてんなぁ」
大きいビルや、建物を見て、夕も目をきらきらさせている。
「じゃ、夕行こっか？」
そう言って私が手を差し出すと
「おう！」と笑顔で夕は手を握り返してくれた。
そのあとは服を見て、夜景を見て、ご飯を食べて…と楽しく時が過ぎていく。
もうすぐ夕はホテルのチェックインの時間かな、なんて考えていると、
「なぁ、A、おれバーに行きたい。」と
突如として私の手をひき歩き出す。
「え、バー？」夕はどっちかというと子供っぽいイメージだったから私は思わず聞き返す。
そして、たまたま見つけたバーに入って一息ついてから夕は、「１回Aと行きたかったんだ」と笑った。
「それはいいけど、私もバーとか初めてだよ？」なに頼んだらいいかわからないし。と私が言うと、夕は、マスターに「エッグノッグ2つ」と笑う。
「えっぐのっぐ？」カクテルに興味を持ったことない私は差し出されたカクテルに首を傾げた。
「俺さ、高校の頃、部活で守護神だったろ？」 夕がいきなり喋り始める。そこ、自分で言っちゃう？とか思いながらも、「うん」と頷く。
「だから、俺、今度はAの守護神になりたいんだよ。」そういって夕はポケットから小さな箱を取りだした。
「A、俺と結婚してくれ。」
もちろん、私の返事はｰｰｰ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
【エッグノッグ】
【守護】
(やっと言えて、ほんと良かった。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：泡沫の月☪︎*｡꙳ | 作成日時：2019年9月3日 1時
