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月日は流れるように過ぎていき、
ついに、卒業式の日が来た。
校長先生の話は相変わらず長くて、
卒業式が終わったあと、及川は女子共に連れていかれてた。
とある紫色の花を片手に、私は一を探す。
「おーい、恋するお嬢サン、一なら向こうにいんぞ」
花巻が柄にもなく制服を着こなしてニヤニヤしながら言う。
最後まで、助けて貰ってばっかだなぁ…
「さんきゅー花巻！！ 」
そう言って私は走る。
走っていくと、少し早く咲いた桜の下に
見慣れた後ろ姿が見えた。
それだけで、涙が出そうになる。
(ばっか、まだ言ってないじゃん。)
「はじめ！！！！」思いっきり叫ぶと、
ビクッと肩を震わせたあと、
「声でけーな」と一は笑った。
私の好きな笑顔。
一の前まで歩いていくと、私は持っていた花を
ずんっ！と一に突き出す。
「…ｯ、好き、だった。今、もだけど、
あんたに、一に迷惑かけたくないから、ｯ憧れでｯ…終わらすから…」
泣かないって決めてたのに。
そう、私は、結局告白でなくて、憧れで終わらそうとした。一への想いを。
一に迷惑をかけない、憧れで。
しかし、一向に受け取ってくれない。
「…？はj「そんなん願い下げだ馬鹿」
そういってふわっとしたいい匂いとともに抱きしめられる。
「え、はじm「俺だって好きだったんだよ。ずっと前から。お前の勝手な憧れで、俺の恋まで終わらせてたまるか。」
これは幻聴だろうか。
1番聞きたかった言葉を、好きな人が言ってくれるなんて。
「好きだ、A。俺と付き合え。」
そういって一は柄にもなく、赤い薔薇を私に手渡してニヤッと笑った。
「ｯ…喜んで！！」
私は精一杯の笑顔で、薔薇を受け取った。
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【フリージア：紫】憧れ
【バラ：赤】あなたを愛しています
続く
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作者名：覚くん | 作成日時：2019年8月23日 1時
