▽帰りは ページ21
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岩本side〉
日本へ帰国する日を迎えた。
岩「Aー？」
『はーい？』
帰りの飛行機は、Aが隣の席。
キャリーケースを持ち上げようとするものの、腕の筋力がないのかプルプルしていて危なっかしい。
隙を見て、俺が荷物棚に入れるのを手伝えば、ありがとうと笑った。
『いやー、濃い時間だったなぁ』
岩「海外行くの久しぶりって言ってたもんね」
『うん。初めてこういうグループ単位っていうのかな。
多くの人たちと出かけたから楽しかった！』
その楽しさが伝わってくるほど、Aのテンションは高い。
頭の上に何個か音符が見えそうだ。
『でもさー、飛行機って怖いよね』
岩「そういうこと言わないで？」
『ごめんて！でもわかるしょ？』
わかるけど...と共感しつつも、そういうのは言わないでほしかった。
『あ、でも、こうしてたら大丈夫』
そっとAの左手が俺の右手を掴んで、自然と恋人つなぎにしてくるもんだから戸惑う。
『ね？ドキドキしてそれどころじゃなくなるでしょ？』
ニヤッと笑うAは、小悪魔なのかもしれない。
そんなことを思いながら、はいはいと俺は適当に流した。
＊
周りを見ると、寝ているメンバーがちらほら。
俺はというとさっきまで寝てて、なんとなく目が覚めたって感じ。
Aはずっと起きて何かしらやってる。
スマホいじったり、本読んだり、台本読んだり。
岩「寝なくていいの？」
『あ、ひーくん起きたんだ。おはよ』
おはよと答えれば、眠いなら寝れば？時間あるしと返される。
俺の質問には答えてくれないようだ。
岩「それなに？」
『これ？雑誌の話が書いてあって、こっちは資料』
そういえば、次の日から仕事あるって言ってたっけ。
人一倍忙しいAは、1番SnowManの名前を地上波で宣伝している人だと俺は思う。
確実にメンバーの中では1番忙しいから。
岩「ちょっとでも休みなよ」
『はーい』
そう言ったそばからペットボトルに入ったコーヒーに手を伸ばそうとするA。
俺は、その手を掴み、Aの顔を覗き込む。
岩「寝ろ」
『ごめんて。まま』
岩「誰がママだ」
『へへっ』
その笑い声が聞こえた後、Aはフードを深く被り、寝顔が見えないようにしてから、寝始めた。
その後、俺がまた寝ちゃって、起こされたっていうのは秘密。
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