雪男のマイペースガール Ⅶ (ページ20)

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▽タイでプールページ20

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プールで遊ぶというメンバーの声かけにより、水着を持ってきていない私はその様子を見守ることにした。

さっくん、舘さん、康二くん、ラウが楽しそうにプールでわちゃわちゃやってる。

本当に楽しそう。

生憎、泳げない私はプールと無縁の人生を歩んできた。

だからプール好きじゃない。

そんなことを思いながら4人の様子をスマホのカメラに残す。

ここにきても私は揺るがず、推し様の曲を聴いているあたり、自由だなぁなんてぼーっと考えていた。

＊

夜になるにつれ、参加するメンバーが増えてくる。

最終的には全員集まってプールで楽しそうにわーわーやってるもんだから羨ましくて仕方ない。

ラ「Aちゃんもおいでよ！」

手招きされるがプールサイドに足を入れることが精一杯。

だって、水着ないんだもん。

『ほら、私カメラマンやるから』

撮るよーと声をかければ、マネージャーが気を利かせて映るようにと声をかけてくれた。

プールサイドに近づき、しゃがむと彼らは近づいてきて一気に圧が増した。

こんだけデカイ男どもに囲まれたんだからそりゃそうかと1人で納得して、控えめにピースをする。

マネ「なんで水着持って来なかったのよ」

『着た後が面倒だし、そもそも水着を持ってない』

それでも女？と言われたが、女なんてとうの昔にしてたようなもんだ。

『海とかいっても普通に服のまま海岸沿いを歩くだけだったし』

懐かしいなぁ、なんて思い出すのは元カレとの思い出。

マネ「そう。せっかくだしあの9人と一緒に遊んだら？」

そういって渡されたのは紙袋。

中身を見れば、短パンとTシャツという服のようになった水着だった。

ちょっと！？と対抗する声すら聞いてもらえず、着替えてこいと言われた。

しぶしぶだが着替え、マネにその姿を見せれば「完璧」と笑顔で言われ、お団子ヘアにされる。

マネ「ほら、メンバーとの思い出ちゃんと作りなさいよ！」

バシッと背中を叩かれた。

いったいなぁ。と思いながら、9人がいるプールへ。

『...どうかな？』

なんと言えばいいのか分からず、絞り出したのはこの言葉。

え？という表情で見つめてくるメンバーに思わず後退りしそうになるが、

渡「可愛いじゃん」

ボソッと呟いた彼の声に思わず笑みが溢れた。

一緒に遊ぼ！と誘ってくれるメンバーたち。

今までにはない、最高の思い出だ。