雪男のマイペースガール Ⅴ (ページ32)

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▽実は 2 ページ32

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阿部side〉

意外と寂しがり屋なAの一面を見れたのが嬉しいとか思ってしまう俺は場違い？

こうやってメンバーを頼ってくれたっていうのが嬉しいのは康二も同じだと思うからセーフにしとこう。

あと、羨ましがってた他のメンバーも同じ考えなはず。

『今日のご飯はうどんにしよー。

2人とも良い？』

向「え、美味しそう！楽しみにしてるなぁ」

阿「俺も」

良かったと笑うA。

最近忙しそうだったからちょっとゆっくりしてほしい。

向「なぁ、阿部ちゃん」

料理を作るAを見ながら、小さな声で話をする俺たち。

阿「ん？」

向「なんかAちゃんのお助けマン的なのできへんかな？

Aちゃんにゆっくりしてもらいたいなぁって」

阿「それ俺も思ってた」

やっぱり！じゃ、なにしたらええかな？なんて聞いてくる。

そもそもここ2人は男兄弟しかいないし、女性に対する免疫力も低い。

こうなるなら佐久間から少女漫画とかの話聞いてこれば良かったと後悔したし、正直、今すぐにでも舘さんを呼びたい。

『できたよー』

向「めっちゃ良い匂いするやん！」

『でしょ～(笑)』

笑顔が溢れる彼女の姿を見ているとなんだか俺が元気をもらっているような気がする。

『ほら、阿部ちゃんも食べよー』

本当ずるい人。

＊

康二と話し合って、お風呂を先に入ってもらうことにした。

上がってきた姿はいつもより色っぽくて年相応には見えない。

直視できません。

ほら、康二慌ててお風呂入りに行ったもん。

これが普段着なのだろう。

普段はほとんど履かないショートパンツからのぞく程よく筋肉のついたすらっとした足。

免疫ねぇんだって...。

康二がいたらまだ良かったのに。

しかも髪濡れたまんまだから余計に色気凄いし。

ほんと心臓に悪い。

阿「早く髪乾かしちゃいなよ」

『んー、アイス食べてからー』

どれだけ俺を苦しめれば済む気？

食卓テーブルで美味しそうにアイスを頬張る彼女から距離を取るように俺はソファに避難する。

『あー、わっかんない！』

顔見たら理性がおかしくなりそうだから声だけ聞いてるけど、なんか悩んでそう。

「どうしたの」と声をかけちゃう俺はどれだけAのことが好きなのか。

『この曲だったらどの衣装が合うかなーって』

見慣れない姿に惑わされながら、平常心を保って「これは？」と一緒に選んだ俺を褒めて。