▽96猫との出会い ページ32
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96猫side〉
洋服のデザインの打ち合わせがあるとのことで、珍しく外に出たわし。
暑さで溶けそうになりながら、ようやく着いたいつもお世話になっている洋服の会社。
担当者さんといろいろ話すことになっていたが、なかなか来ない。
遠くに見えるのは、担当者の澪(みお)さんと凛としたカッコいい女性だった。
どっかで見たことある気がするんだけど、なかなか思い出せない。
まあ、よくあることだし、いいや！と思ったその次の瞬間、かっこいい女性に声をかけられた。
『96猫さん...ですか？』
96猫「え、あっ！はい！」
突然のことで、頭が回らない。
まず、この方はどちら様で、なんでわしのことを知ってるんでしょうか？
澪「困ってるから自己紹介してあげて」
『あっ、突然ごめんなさい！はじめまして。
ジャニーズJr. SnowManの碓氷Aです。
96猫さんの歌声が特に好きで、96猫さんに憧れて両声類目指してます』
ニコッと笑う碓氷Aさん。
さすが、アイドル。
さすが、ジャニーズ。
テレビで見るよりも足は細いし、顔は小さい。
そして何より可愛いし、綺麗！！！！
しかもいい匂いするし...。
なんなんやろうと自分と比べてしまう。
あと、意外と胸がo(((
なんでもないです。ハイ(白目)
『もしかして、これから打ち合わせ？』
澪「そうなの」
『そっか。じゃあ後でまた来る』
澪「そうしてくれると助かる」
仲が良いという感じが伝わってきて、羨ましいなぁなんて思う。
わしと仲良くしてくれるなんて無理やろうけど。
『あ、96猫さん。確か、タピオカお好きでしたよね？』
96猫「えっ？あ、はい」
『私飲めないので、ぜひ飲んでください』
96猫「いや、でも！」
『あっ、そろそろ行かないとヤバイ...！
全然、気にしないでください！
タピオカ好きな方に飲んでいただいた方が良いですから。
では、失礼します』
小さくお辞儀をして、去っていく碓氷さん。
いや、普段はAちゃんなんて軽々しく呼んでるんやけど。
澪「じゃあ、始めましょうか」
96猫「あ、よろしくお願いします」
なんだか慌ただしく打ち合わせが始まった。
ここで、唯一後悔したのは、Aちゃんに連絡先を聞かなかったこと。
ずーっと後悔が頭に残る。
この時はまだ、近いうちに会えることになるとは、わしは知らない。
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