▽冴え渡る勘 ページ26
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“ジャニーさんが入院した”
その連絡が来た時、悟ったものがある。
嫌な勘ほど当たりやすい私。
こういう時だけ自分の鋭さに嫌気が差す。
少しでも時間があればジャニーさんのそばにいて少しでも恩返しできたらなと。
全然できてないんだけどさ。
そう思ったら、寝る時間を惜しんでまでやりたいし、何かあったらと考えてしまい、結果的に寝るのが怖くなり、なかなか寝られない日々。
メンバーにも心配されるけど、仮眠は取ってるから多分大丈夫。
なんて呑気に思ってたらふらふらになって、点滴を打たれることに。
ほぼ、滝沢くんの圧よ。
やれ、みたいな。
あと、寝ろとも言われた。
そんなにヤバイか。私。
なんて思ってたら、やっぱり眠かったらしくすぐ寝ることができた。
そして、目を覚ました瞬間、阿部ちゃんが隣にいて、目の前にはメンバーとSixTONESが。
なんだろうと不思議に思いながら、とりあえずイスから立ち上がろうとしたものの、滝沢くんの無言の圧力により止められた。
なので、椅子に座って、話を聞くことに。
滝沢くんの顔つきからいい話ではないのかもと思うと耳を塞ぎたくなったけど、告げられたのはただ驚かされる言葉だった。
“SnowMan、SixTONES。同時にデビューさせることが決まった”
デビューという一言。
夢かと思った。
だけど、じーこが泣いているのを見て、本当なんだなって。
ただ、あまりにも喜びが薄いからちょっと不服そうな滝沢くんの顔。
滝沢「お前らもうちょっと喜んでいいんだぞ？」
『いや、ここ病院ですから(笑)』
なんて空気がふわっとなった。
＊
みんなが帰る中、私はまだ残ることに。
点滴をされている左手を安静にして、右手でジャニーさんの右手を握る。
滝沢「本当に寝てるか？」
『まあ、嘘っちゃ嘘です。
寝られないって言うのが正しいんですけど』
滝沢「ジャニーさんも心配するからちゃんと寝ろよ」
『はい』
思うこと、言いたいことはたくさんあるけど、滝沢くんを敵に回したくないのでやめとく。
滝沢「無理はするな」
『無理してなんぼですよ。紅一点なんで』
なんて笑ってみせれば、ちょっとだけ悲しそうな顔をしつつ、優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
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