隙あらば、好きと

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「抜けたい…」



「別にいいけど、1人で待ってる？」



「それもやだ！」



待ち時間が長く、ずーっと恐怖と格闘してます。



「大丈夫だって(笑)」



笑いながら言われても説得力ないと言うと、「本当ダメだね」と笑われる。



笑いすぎだわという意味を込めて全力で睨む。



「そんな顔しない。全然怖くないけど」



「本当腹立つ」



「可愛い顔が台無しだよ」



むにむにとほっぺを触られる。なんか負けた気分。



「誰のせいでしょーか」



「ごめんって。何欲しいの？」



「…お揃いのもの」



「わかった。乗り終わったら買いに行こっか」



私の頭を撫でてくる。


子供扱いやめてください、そんな歳、変わりません！



「はいはい、ムスッとしない！」



そうやって無理やり笑顔にさせられた。



「みなさんこんにちは！」



あー、始まっちゃう。



「はい、落ち着いて」



「マジしんどい…」



あははと笑ってますけど、こっち割と死活問題ぃぃぃぃぃ！！！！！(落ちた)



＊



「生きてる。立ってる。わぁ」



「いや意味わかんない」



「早く、お揃い！！！！！」



「ちょっと静かに」



「はい」



騒ぎすぎたと思い、静かに話しているとお土産屋さんに着いた。



「どれがいい？」



「どれだといいかな」



唯一無二のお揃いがなかなか見つからないから困る。



「アレは？」



「なんかみんな持ってなさそうなのがいい」



「割と独占欲強いよね」



「…うるさい」



「ツンデレだし」



いつもこうやっていじられる。



「あ、これよくない？」



「…！大好き」



「単純」



「やっぱ嫌い」



「本当は？」



マジで初恋の相手とか言わなきゃよかった。



「普通」



「割とそれが一番傷つくかも」



ベーっと舌を出すと「はいはい」と手に待っていたネックレスを取られ、会計の方へ向かっていた。



慌てて後ろを追いかけると「いいから」と言われた。



なんだよ。カッコいいな！？



そこで、私は「ちょっとトイレ行ってくる」と違うお店に行き、今日のお礼に天月が欲しいとさっき言っていた服を買った。



「…帰るか〜」



「楽しかったね！」とさっき買った服の入った袋を渡す。


不思議そうに首を傾げた彼だが、中身を見た後に「ありがとう」と言われた。



彼からはさっき買ってくれたネックレスと共に大好きなキャラのグッズが入っていた。



「大好きだよ」



ギュッと抱きつき、仲良く帰りました。

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