魅せる、青い空！ ページ17
苦しくて激しい曲調が続く。
息が苦しい。早く終われ。
そう思うぐらい、この子供の苦しさがわかる。
もちろん、同じってわけにはいかないけれども。
闘病中、すごく逃げ出したかった。
逃げたこともあった。
でも、叶わなくって。それが辛くって。
心が何度も何度も折れかかって、
泣いて泣いてその度、コトバで誰かを傷つけた。
流石に人にはなかったけど
モノにあたったこともあった。
今思うとサイテーだなぁ…笑
(ここからは後半だ…)
乱れるような、熱くて激しい音。
時々垣間見せる、
氷のように冷たくて、孤独な静けさ。
この曲調ももうすぐ終わる。
この演技に4回転は2本。ここは確実に。
｢まずはコンビネーション。
4回転ルッツ3回転ループ4回転フリップ
決めてきたぁぁぁあああ！｣
｢これは…すごいですね、美しいです！｣
出せ、もっと全力で、観客の目を、奪え。
｢トリプルアクセル、綺麗に決まりました。｣
残りは3回転3回転のコンビネーションが2つ。
｢トリプルアクセル、トリプルループ
これも加点対象ですね。｣
そして、最後のとき。
子供はあの、純粋だったあの頃の、
どこまでもどこまでも青い青い空をもう1度みた。
広く、遠く、キラキラとした外の、その無限大。
いつからか、下しか向いてこなかった…
いや、下しか見れなかった…
それでも最後に見たのは青い空と
自分を囲む名前もない血の繋がりもない
小さくて儚い家族たち。
ここで初めて気づく、幸せだったんだ、、と。
｢最後のジャンプも決めてきました！｣
激しさは止み、暖かな音に包まれる。
ふと、そこにいる誰もが
春の日差しのようなものを感じた。
(ああ、やっと笑えた)
スピン…極力位置がズレないように
体の先まで丁寧に滑らかに。
｢A･ヴィレッドレーラ選手、ノーミスで演技を終えました！！｣
観客におじぎする。
ああ、、終わった。
『トゥーイ、これで次のステージにいける。』
｢そうだね、でも…まずはおつかれ。｣
『うん。』
｢A･ヴィレッドレーラ選手の得点です。
197.53…合計303.50点です。｣
｢A選手、ピチット･チュラノンを僅かに抑え第2位です！クリストフ･ジャコメッティには惜しくも届きませんでした！｣
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strawberry(プロフ) - たむさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！ (2017年10月30日 9時) (
レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - strawberryさん» あっ…そうなんですね。謝らないでください。お気になさらず！わざわざコメントありがとうございました！ (2017年10月29日 12時) (レス) id: 0c19623be5 (このIDを非表示/違反報告)
strawberry(プロフ) - たむさん» すみません！言葉足らずです！近代から、というわけではありませんが、あまり聞いたことがありません、と申したかったんです！本当にすみません…不快に思われましたか？ (2017年10月21日 19時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - Акычо （あきほ）さん» 曲名に関して、作者が題名をつける場合もあるようです。少々、言葉足らずだったようなので修正しますね。フィクションなので悪しからず…。 (2017年10月19日 17時) (レス) id: 939ca1fa3b (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - Акычо （あきほ）さん» コメに気付かず申し訳ありません。ご指摘有難うございます。Dearは修正致しました。いうの表現ですが、敢えて間違った表記にさせてもらっています。不快でしたら修正します。 (2017年10月19日 16時) (レス) id: 939ca1fa3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむ | 作成日時：2017年1月15日 1時
