18-3 〈続き〉 ページ28
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だが、その草に辿り着く前に様々なことが起こった。
まず服の裾が枝に引っ掛かった。
僕はそれに気づかなかったのでぐんっと引っ張られよろけてしまった。
そしてその先に蜘蛛の巣があり顔から突っ込んだ。
しかもその巣には持ち主がいて、巣を壊した僕に怒ったのか身体中を這ってきた。すっごく気持ち悪かった。
しかしまだ終わらない。
蜘蛛を追い払うことには成功したが、それに集中しすぎた僕は足元を見ていなかった。
グっと何かを踏んだ感触がした。
(あ……この感触はまさか……)
恐る恐る草履の裏を見ると、予感的中。
僕が踏んだのは何のかはわからないが、何かしらの生き物のフンだった。
フンだけに
そうこうしている内に、お目当ての薬草かもしれない草のところに着いた。既に満身創痍である。
だが追い討ちをかけるように、その草はお目当てのものではなかった。なんなら他の薬草でもないただの草だった。
(あぁやっぱり僕は不運だ！！でも伏木蔵を呼ばなくて正解だったなぁ……呼んでいたらぬか喜びどころか不運に巻き込んでたよね)
やはりこの森は雰囲気通り不運の温床かもしれないと大きなため息をついた。
こう不運が重なると『幸運になりたい』と心から思ってしまう。
あーでも強いて言うならだけど、先程踏んだフンが乾燥していて払ったらすぐ取れたし臭くないというのは幸運だったかなぁ。
そんな些細な幸運に苦笑いした。そしてそのままトボトボと肩を落としながら元の場所に戻る。
もしかしたら、僕が不運に巻き込まれている間に伏木蔵は幸運に恵まれたかもしれない。
なんて淡い期待を抱いたが、それはすぐに散った。
だって伏木蔵の姿がなかったんだもの。
「伏木蔵……？」
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