【忍たま】姉は弟になかなか会えない 3 (ページ21)

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遅い。遅すぎる。

あれから随分と時間が経った。その間シナと一年生3人＿＿乱太郎、きり丸、しんべヱは食事を摂らずただひたすらAの到着を待っている。

外を見ればオレンジ色は黒に染まり始めており、本格的に夜になりそうだった。

「ねぇ僕もうお腹ペコペコだよぉ……」

「もう少し待ってみよ？ね？」

ぐでっと机に倒れるしんべヱはもう既に限界だ。空腹状態でここにやってきた彼はすぐにでも夕食を食べたかったのだが、Aと一緒に食べようという他の2人の意見に賛成してしまったのだ。どんまい。

シナはそんな彼が心配だったが、それよりも少しばかりAの方が心配だった。

(……土井先生と何かあったのかしら？)

ここは厄介事が日常茶飯事の忍術学園。いつ危険が迫るかもわからない場所である。Aも早速その洗礼を受けているのではないかと、気が気でない。

そして遂に、居ても立っても居られなくなり探しに行こうと席を立った。

その時だった。

「遅れてしまい申し訳ない！！！！」

よく通る大声と共に、どこか見知ったような気もする見た目の人物が入ってきた。

「あ！！Aさん遅いっスよ！？」

「いやぁ本当に申し訳ない。色々あってね」

「また色々っスか？」

(この人が鶴町Aちゃん……)

よく見れば弟の伏木蔵くんに目元が似てるわねと、あははと呑気に頬を掻くAを見つめる。それと同時に怪我や揉めた形跡がないことを確認した。

(何かに巻き込まれたわけじゃなさそうね。という事はつまりただの遅刻？)

何事もなかったようなAの見た目と態度に、先程まで心配していた心は何処へやら。シナの心には沸々と怒りが湧いていた。