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「Aさん?それはどういう意味ですか?」
焦った様子も見せず、目の前の『土井さん』は私にニコリと笑いかけた。動揺は見せないようだ。
「あら?どういうって、私の言葉をそのまま受け取っていただいて良いのですが?」
「そのままって……私は土井半助ですよ?知っているでしょう?」
「ええ、確かに。知っていますとも」
「ほら!もう何の冗談ですか?」
照れと呆れが混じったような表情は確かにその顔は土井
でも、
「土井
「え?勿論。鶴町Aさんですよね?」
「そうです。じゃあ私の弟は?」
「一年ろ組の鶴町伏木蔵でしょう?一体どうしたんですか?」
私って人のこと見て覚えるの結構得意なんだ。
「……じゃあ私の異名は?」
「い、異名……?」
「はい、異名です。ご存じでしょう?」
つまり例え今日初めて会った人物だとしても、一度会えば覚えてしまう事ができる。
「もしかして忘れちゃいましたか?」
「……」
「……なんて冗談です」
「……え?」
それに、土井先生とは出会いは衝撃的だったんだ。だって初対面であれだけの敵意を向けてくる人なんてなかなかいないだろ?
そんな人をそう簡単に忘れないし間違えるわけがない。
「だから異名なんてないです。どんな反応するかなって思って揶揄っただけですよ」
「な、なぁんだ!そうだったんですか!」
「ふふ、土井さんの反応面白かったです」
「だけど、」
だから断言してあげよう。
「嘘が見抜けないようじゃまだまだ半人前だな、偽物」
お前は
あ、そういえばちょっと嘘ついた。
初対面で敵意を向けてきた人、誰とは言わないけど他にもいたわ……
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