15:鶴と狐の化かし合い ページ1
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「おーい、お前達こんな所で寝ていたら風邪引くぞ?」
「ん……?」
久々の外での昼寝がとても気持ち良く、すっかり爆睡をかましていたのだが誰かに声をかけられた。誰だろうか。
眠い目を擦りつつ、声がした方へと顔を向ける。
「ほら、乱太郎、きり丸、しんべヱ!起きろ!!」
黒色の忍び装束、頭巾から出る焦茶色の髪、聞き覚えのある声。
「うぅん……」
「んー……よく寝たぁ〜」
「ふぁあ……あれぇなんでここにいるんですか?」
「土井先生!!」
そう、目の前にいたのは数刻前に別れた土井先生だった。
「やっと起きたか……そろそろ陽も落ちるし、早く中に入れ」
「わっ本当だ!さっきより暗い!」
「お腹空いてきたなぁ〜ねぇ食堂行こ〜?」
「あ、そういえばAさんも食堂に行かなきゃいけないんスよね?」
「……うん」
どれくらい寝ていたのかわからないが、寝る前に広がっていた青空はオレンジ色に染まっている。確かに結構長い時間寝ていたようだ。
ところでしんべヱ、キミはもうお腹が空いたのかい?寝る前にあんなに食べたのに?私はキミの胃袋がどうなっているのかとっても気になるよ!!
「ほらほら!早く食堂に行かないと席が埋まるぞ〜?」
「そうだった!早く行かなきゃ!!」
「あーしんべヱ!!待てよー!!」
猛ダッシュで走り去るしんべヱと、それを追いかけるきり丸。寝起きでそんなに走れちゃうのすごいね〜若いって羨ましいよ。
でも乱太郎を置いていくんじゃないよ?めっちゃ呆れてるぞ?
「ちょっと2人とも!!もうっ!Aさん、私達も早く行きましょう!!」
「……いや乱太郎、先に行っておくれ」
「え?でも」
「大丈夫。食堂までの道は覚えているし、ちょっと土井
「?……わかりました!じゃあ先に行ってお席取っておきますね!」
『頼んだよ〜』と軽く手を振って乱太郎を見送った。
ちょっと首を傾げていたけど気づいてはいなそうだからセーフかな?
さて、それより私が気にしなきゃいけないのはこっちだ。
「あのAさん?話って何ですか?」
「あれ、お分かりになりませんか?」
ここに残るのは私と彼の2人だけ。
「……すいません、わからないです」
「じゃあ単刀直入に言いますね?」
「あなたは一体誰ですか?」
「!?」
ねえ、『土井さん』?
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