【忍たま】姉は弟になかなか会えない

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「あーーーーー！！待って待って！！！Aさん止まってぇ！！！！」
「ここで帰ってくるの待ちましょう！？ね！？」


私の右腕にはしんべヱ、左腕にはきり丸がひっつき、必死に止めようとしている。これぞまさに両手に花ってか？違う？

あ、でもしんべえ、鼻水を付けるのはやめてくれ。


「そうですよ！！！ここから裏々山までは時間がかかりますし、入れ違いになっても困るでしょ！！？」


ふざけたことを考える私にがっつり正論を言ってくる乱太郎。……歳下の正論って結構グサッときますね。


「……確かにそうだが、でも私は！今すぐ！！伏木蔵に会いたい！！！」
「あ、あの僕達さっき先生に会ったんです！その時Aさんの事を話したら会いたいって言っていました！！」
「え、先生が私に？何故？」


私が会いたいのは伏木蔵なんですけど？


「そ、それはわからないんですけど、とりあえず連れて来いって言われました！！」

伏木蔵に会いたいが！！お世話になっている先生方に挨拶をしない訳にはいかない……でも挨拶は後でもできるじゃん？今すぐじゃなくてもいいじゃん！！……でもやっぱり目上の人には最初に挨拶しなきゃダメか？

私が挨拶をしなかったせいで伏木蔵の評価が落ちるなんて事が万が一あったら大問題だ。

それにここまで必死に止める彼らを無碍にはできない。


「……仕方がない。いずれお世話になっている先生方に挨拶はするつもりだったし行くよ」
「本当ですか！！」
「ああ、案内してくれるかい？」


もちろん！！と声を揃える3人。うん、やっぱりかわいいね。
この可愛さに免じて、私のことを呼びつけた先生のことは許してやるか。



「じゃあ秀作、またな」
「うん！伏木蔵くんが帰って来たらすぐ伝えるね〜」
「頼んだよ」


ひらりと手を振り秀作に背を向ける。


伏木蔵、もう会えると思っていたのにどうやらまだみたいだ。お姉ちゃん、もうちょっと我慢するから早く帰って来てね……


気分が下がりながらも、私は3人の小さな手に引かれて忍術学園の内部に足を踏み入れた。

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