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全員が晩御飯を食べ終え、蜻蛉切とにっかり青江が皿洗いを担当しその間ほかの者は雑談をし明るい雰囲気が本丸の居間に広がっていた。
「じゃあ私、そろそろお風呂入ろうかな」
その一言で6振りの顔色が変わった。
気まづそうな顔をする男子達を見て彼女は首をかしげた。その彼女を見て6振りは顔を見合わせた。何やら目配せをしている様子だ。
「あ、あの...どうかしたの?」
どうしたのだろうと戸惑う彼女にお前がいけと目配せされたのだろう堀川国広が気まづそうに「あの」と口を開いた。
「.....ここのお風呂、前の本丸と違って男女別れてないんです。刀とはいえ僕らも一応男の人の体で何年も生活してるのでちょっと、主さんが嫌じゃないかなーって...」
「あぁ、な、なるほど...」
「一緒に入ってしまおうか?」
「髭切殿」
「あははっ、やだなぁ。冗談だよ」
狭い本丸になって浮上したお風呂問題。
そしてこの流れで発覚した厠問題。
付喪神とはいえ数年もの間男の体で生活をしてくると、気になってしまうこともある。
蜻蛉切は目を泳がせているし、石切丸は「あはは」と気まづそうに笑っているし、加州清光は変に意識をしてしまっているし、髭切とにっかり青江はその者達を見てニヤニヤと笑っている。
「私は別に気にしないですけど...」
「ほら、主もそう言ってることだしさ。変に意識してもね?」
「そうそう。鍵もついているようだし、忘れないように主がかけてくれれば大丈夫じゃないのかな」
30分程の話し合いを経て
・主は必ず鍵をかける。
・主は入る時必ず声をかけてから入る。
・覗きはしない。
この三か条を立ててお風呂問題は解決した。
この三か条は1番文字を綺麗にかける蜻蛉切が紙に書き出して脱衣所の戸に張り出されることになった。
彼女は必ず最初に入り、あとは適当な順番で入ることになった。
以前は聞こえなかった風呂場から聞こえるシャワーの音にドキドキしてしまうほど人間に寄ってしまったのかと悶々としてしまい、格闘する刀剣男士達が慣れるまでしばらく時間がかかったのは彼女には内密な話だ。
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作者名:いてぃごん | 作成日時:2019年2月12日 0時