【3年A組】誰も救えない、 (ページ4)

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｢(はっ……?)｣

開いた口が塞がらない。
しかし、クラスメート数人は冗談だと思っているらしい。ケタケタと笑い先生を小馬鹿にしたような態度をとる。
けれど先生の表情は至って真剣だ。とても冗談を言っているようには見えなかった。
そんなとき、諏訪が不機嫌そうに口を開いた。

｢ねぇもしかしてさあ、卒業に関わる大事なことってこれ?
このために全員出席するように言ったの?｣
｢そうだよ
卒業する前に、皆で解決したいことがあってね｣
｢んだよ、こんなことなら家で寝ときゃよかった｣

まだ冗談だと思っているらしい甲斐もめんどくさそうにまた機嫌を悪くし席を立った。
それを追うように甲斐軍団も続くが後ろの扉は開かない。

｢ドアは開かないよ?
特殊な鍵をかけたから｣

それが甲斐の神経に障ったのだろう、甲斐は先生の襟元を掴み突っ掛かるが先生に取り押さえられていた。

｢こんな物騒なもの、持ってきたら駄目だろ
没収だ｣

先生は甲斐のブレザーポケットから折り畳み式ナイフを取り出した。
それを見た甲斐軍団である石倉、須永、中尾が次々に先生へと襲いかかる………が、先生はものともしないで軽々と倒していった。

目の前で倒される中尾を彼女である水越が駆け寄り心配そうに見つめている。

｢ぶっきーって雑魚キャラじゃなかったんだ……｣
｢こう見えても昔は、アクション俳優を目指していたんだ｣

それがまた甲斐の神経を逆撫でし、甲斐は先生へ殴りかかるが、先生は又もや軽々と甲斐へと馬乗りになった。

｢調子に乗ってるのはお前の方だろ｣

先生はそう言って甲斐の顔ギリギリの所をナイフで突き刺す。
さっきまでの穏やかな声だった先生とは一変し、冷酷でとても冷たいものだった。

｢んー……どうやらまだ、状況を飲み込めてないようだなぁ｣

先生は立ち上り教卓の上にあるパソコンを開いき、腕時計を操作した。

ﾋﾟｯ

という無機質な音が教室に響いた次の瞬間、

＿＿…ﾄﾞｺﾞｫｫｫｫﾝ

凄まじい地響きと爆発音に身体が揺さぶられる。
なんとか机に捕まるも、片手ではやはり無理があるらしい………私はバランスを崩し席から落ちてしまった。

揺れが収まったと思ったらまたﾋﾟｯという機械音が響く。
先生が扉のロックを解除したらしい。
我先にと出ようとする皆を私は隅の方でただ呆然と眺めていた。