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ガラッと前の扉が開き柊先生が入ってくる。
学級委員である茅野は後ろのドアが開かないと先生へ訴えるが対して気にするわけでもなく……
スタスタと歩き教卓へと立った。
「あれ?甲斐君達は?」
アイツ等はどうせ遅刻だ。
私が早く学校にきたのも甲斐軍団と出くわさないためだった。アイツ等とは顔を会わせればすぐに言い合いになるのは分かっていたから……
なんて思っていると、先程先生が入ってきた扉が勢いよく開いた。
「あー 間に合った、間に合った!」
ただでさえ騒がしい教室に石倉のばかでかい声が響く。
先生が遅刻だと呆れながらに注意すると須永が先生を蹴飛ばした。………ウチのクラスはこんなクラスだ。
先生に対する尊敬などはなく生徒が好き勝手に生活している。
本当に酷い所だ、
「(まぁ、)」
それを見てみぬふりをしている私の方がよっぽど酷いか……
なんて思いながらボーッと前を見つめる。
すると、自分の席へと着こうとした甲斐が顔を思いきりしかめた。
「なんでコイツいるんだよ……気分下がるわ」
「…………こっちもだよ」
「あぁ?」
私の呟きが聞こえていたのか甲斐は目をつり上げ怒っているようだった。
私はそんなこと気にも止めず、視線を甲斐から先生の方へと戻した。それが気に入らなかったのだろう、彼は私の机をバンッと音をたて叩いた。
「言いたいことあるならハッキリ言えよ」
「…………別に、私はお前らと言い争って無駄な体力使いたくねぇだけだよ」
「んだと…!」
「しーずーかーに‼」
甲斐が手をあげようとしたときだ、先生の誰よりも大きな声が教室中に響いた。
先生は甲斐に「席につけ」促すと、甲斐は小さく舌を鳴らし席へと座った。
「はい じゃあ今日は、大切なお知らせがあります」
ゆったりとした優しい声……
けれど、沈黙だったのもつかの間、皆さっきの事を忘れているのか話し声は再開していた。
この教室で先生の話に耳を傾けている者はいない。皆誰かと喋り、メイクをしたり自分の好きなことをしていた。
しかし、先生の次の一言で教室にはまた沈黙が漂うこととなった……
「今から皆さんには、人質になってもらいます」
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マドレーヌ(プロフ) - このお話、とてもおもしろいです!大変だとは、思いますが更新頑張ってください!待ってます!応援してます♪ (2019年8月4日 1時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:〔ドライバー〕 | 作成日時:2019年4月26日 18時