鬼と光の呼吸 ページ3
最終選別が始まってから、まだ1時間。既に私の心は兄を探すためとはいえ…この最終選別を受けたのを後悔し始めていた。
実は私、今まで鬼を見たことなかったんだよね。何せずっと家で、練習をしていたから…。だから今日初めて私は鬼を見たわけ。で、初めて見た鬼の感想は……正直、物凄く怖いっ‼だってその鬼、手と足がたくさんある!目がひとつ‼口でかいし、めっちゃ牙鋭い!
多分、すべての鬼がこうとは思わないけど…。初めての鬼との対面が、こんなにおぞましい姿の奴だった私の気持ちは最悪だよ!
そして今、私は必死にその鬼から逃げている。少しでも詰まったら絶対捕まるっていうぐらい足速い!あんなに足あってよく絡まないよね‼
「あっ。」
あまりにも焦って逃げていたせいで、道端に転がっていた石に躓いて転んでしまった。鬼が私に追い付く。ヤバイ…。と、とりあえず何か技だそう!えーと、えーと…。
「ひっ、光の呼吸‼壱の型っ!光波閃光‼」
私は素早く、鬼の頸のところに刀を当てる。ズバッと鬼の頸が斬れた。同時に鬼の体も消えていく。えっ…思ってたより、ずっと簡単に斬れたんだけど…。こ、これなら何とか最後までいけるかもしれない…!
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作者名:小麦万希子 | 作成日時:2019年10月9日 0時