元カレ事情 ページ9
「え、、、」
メイク室の扉の向こうでは
目黒とAが抱き合っていた。
「別れて欲しい」
そう言った時Aは
ぐっと涙をこらえて
「私、辰哉の重荷にならないようにするよ？
忙しい時は連絡しないし
辰哉のお仕事の邪魔はしないから。
だから、、、別れるなんて言わないで」
そう言ったAを
抱きしめたい衝動をぐっとこらえて
出た言葉は今思い返しても最低だった。
「、、、彼女っていう存在。
今の俺にとってAっていう存在が
もうすでに重荷なんだよ」
そう放った言葉に
なら、仕方ないね。
そう言って笑ったAの顔は
今でもたまに夢に見る。
気がつけばAはアイドル雑誌の
担当を外れていて
たまにスタジオで姿は
見かけるがその隣には
必ず綺麗でスタイルの良いモデルの姿。
「女性誌に異動したんだ、A」
、、声をかけようと思えばいつでも
かけられた。
でも、俺から振っておいて
ほとぼりが冷めたから元サヤに
なんて都合のいい話はあるわけない。
目「ふっかさんって
彼女とかいないんですか？」
目の前に座る目黒に突然聞かれる。
「え？なんで？」
目「いや、最近1人メイクの女の子と
仲良いなぁって。」
「あぁ、、あの子ね」
目「俺の勘が彼女じゃ、、って
疼いたんで」
そう言うと目黒は楽しそうに笑った。
「お前みたいに俺は遊んでね〜よ」
目「、、人聞き悪いっすよふっかさん。
遊んでるんじゃなくて
大人な関係って言ってくれます？」
「遊んでんじゃね〜か」
ただ、目黒は女好きって
わけでもなさそう。
ただ都合がいいから
って言葉が本当にしっくりくる。
目「で、その子といい感じっすか？」
「あぁ〜、まぁね」
目「え？！付き合ってます！？」
「好きだ、とは言われたかな」
そう言うと目黒は
両思いじゃないっすか〜と
俺の肩をバシバシ叩く。
「でも、そう簡単に付き合うわけにも
いかないんだよね、俺」
目「え？なんでですか？
相手も自分も好き同士なのに？」
「、、、1人。
忘れられない人がいるんだ。」
目「へぇ〜。」
そう言うと興味を示した目黒は
少し前のめりになった。
「俺の都合で振ったけど
今では振ったこと後悔してる。
あの時手を離してなかったら
違う未来があったんじゃねぇのかな。
って、未だに思うんだよ」
目「たら、ればは言い出したら
キリないっすからね〜」
「だよな。」
「、、なんで目黒といんだよ。」
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作者名：あやぴ
| 作成日時：2021年9月7日 3時
