傷痕(SnowMan) (ページ9)

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翔「嘘だろ？」

照「本当なんだ。」

目の前の照から、Aの記憶から
俺らが消えたことを聞かされた。

俺を含め、残されたメンバーは
何も言葉が出なかった。

深「俺と照で先生にも話を聞いてきた。
事故にあったとき、Aは頭を打ち付けていて
手術前かなりの出血をしていたらしい。
脳を損傷した分障害が出てもおかしくないって。
今のAの記憶は就職する前で止まっている。」

康「記憶はもう、戻らんの？」

深「わからない。
寝て起きて戻っているかもしれないし
このまま一生戻らない可能性もあるって」

目「じゃあ、Aはもうマネージャーの仕事
出来なくなるってこと？」

照「そのことでみんなに相談がある。」

翔「なんだよ、相談って」

そう言うと照は俺を見た。

照「Aは仕事のことは全く何も覚えてない。
もちろん、俺らのことも。
どんな風に接してたか、どんな自分だったか。
でも、俺もふっかもラウールも面会で会って思った。
俺らのマネージャーができるのはAしかいねぇって。

Aを、何もないままのAをSnowmanの
マネージャーに俺はしてあげたい。」

そう照が言うとみんな視線をあげた。

舘「でも、現実問題厳しくない？
俺だってそうしてあげたいのはもちろんだけど
仕事はそんな甘いもんじゃないよ？
Aの暦もスキルも今はなくなったってことでしょ？
傷つくのがAなら、俺は反対する。」

照「もちろん、すぐに元になんて戻るわけない。
仕事は俺らでサポートしてあげよう。
あと、これはAからも了承済みなんだけど
面会みんな行けるように怪我がある程度落ち着いたら
東京の病院に移ってもらえることになった。
だから、ちゃんと過去も今も向き合える環境を
作ってあげられると思うんだ。」

深「１度みんな面会してからでもいいから。
今のAに会ってこの先のこと決めてもいいから。
俺と照とラウールは、戻ってきてほしいって
Aには伝えてきたから。」

佐「俺は、会ってみたい。
記憶をなくしたAでも。」

阿「俺も。
まずは、ちゃんと顔を見て話がしたい。」

照「Aは俺らが来るの、待ってるって。」

その言葉にみんなが少し安心したように見えた。