傷痕(SnowMan) (ページ8)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:56,626 hit

6 ページ8

「あ・・・」

ラ「ただいま～」

そう言って笑ったラウール君の目元は
少しだけ赤くなっていた。

ラ「ちょっとトイレ行ってたんだ！」

「あ・・・あの」

照「ラウール？」

ラ「あ、岩本君！」

おかえり～と、駆け足で二人の男性に駆け寄ると
二人の視線は私へと向けられた。

深「お母さんから話は全部聞きました。
俺たちに遠慮とかする必要はないし
聞きたいことや分からないことがあれば
俺たちを頼ってもらって大丈夫だから」

照「俺は、岩本照。」

深「俺は、深澤辰哉。」

この３人はジャニーズ事務所に所属する
Snowmanというグループのメンバーで
私はそのグループのマネージャーをしていたこと。
残り、６人のメンバーもいること。
そして、その記憶だけが私の中から
なくなってしまったこと。

きっと記憶をなくした私なんかよりこの３人の方が
辛いはずのなのに
とても優しく話をしてくれた。

照「まだほかのメンバーにはこの話はしていないから
どうなるかはわからないけど、ここにいる３人は
記憶をなくしたままでもいいからAに俺たち９人の
マネージャーでいてほしいって思ってる。」

「仕事のこと、本当に何も覚えてなくて。
皆さんに、ものすごく迷惑をかけてしまうかも
しれません。それでも、私は必要ですか？」

深「必要です。」

深澤さんと視線がぶつかる。

深「俺たちには、Aが必要です。」

横にいる岩本さんもラウール君もすごく
優しい顔で微笑んでくれた。

その後ろ、お母さんは涙を溜めながら
私を見て頷いた。

「皆さんが私を必要としてくれるのであれば・・・
私も前の自分に戻りたいです。」

みなさんに必要とされていた自分に。

照「でもまずは、その怪我を治しましょう。
マネージャーになるのは体が万全な状態に
戻ってから。あと・・・

Aさんさえよければ
残りのメンバー含め面会に来てもいいでしょうか？
マネージャーのこともそうだし、まずは
みんなと仲良くなってもらいたくて。」

「はい。
私もみなさんと仲良くなりたいです。」

そう言うと先ほどまで少し強張った顔をしていた
岩本さんが、ふにゃっと笑った。

照「Aさんならそう言ってくれると
思ってました。」

そう言うと岩本さんも深澤さんも優しく微笑んだ。