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目「あれ？」
さっきまで隣にいたはずの
Aの布団はもぬけの殻で。
代わりに隣の部屋から見えた
明るい光と誰かの話し声。
布団に居ないのはAと康二で。
恐らく聞こえてる声は
Aと康二の声。
康「もっかい抱きしめたい」
はっきりとそう聞こえて
俺の心臓がドクンと音を立てる。
康二が今Aを抱きしめてる。
その事実だけで泣きたくなるくらい
心臓が痛い。
目「、、、めっちゃ好きじゃん。俺。」
そう小さく呟いて
気付いたらその場に座り込んでた。
分かってるつもりだった。
メンバーが向けるAへの視線が
ただの好きじゃないこと。
隣の部屋から康二が
じゃあもう寝るわな。
って声が聞こえて急いで布団の中に
潜り込んだ。
どれくらい経っただろう。
扉が静かに開く音がして
隣がモゾモゾと動いた。
目「A？」
「ごめんなさい。起こした？」
俺が声をかけたことにびっくりしたのか
肩をビクッと震わせた。
目「ううん。
少し前から起きてた」
「起こしちゃったかと思った」
そう言って少し安心した顔をする。
目「、、、さっき、康二となにしてた？」
少しいつもより低いトーンで言えば
暗がりでも分かる。
Aは驚いたように俺を見た。
目「ごめん、、
聞くつもりなかったんだけど。」
「康二がプロデューサーの件を
心配してくれて私を安心させるために
抱きしめてくれただけだよ？」
そう言って微笑むAに
少しイラッときて。
目「、、、違うよ」
「え、、？」
目「ちょっといい？」
戸惑うAを連れて
隣の部屋へ来た。
なんとなくあのまま話してれば
誰か起きてきそうな気がした。
目「男は好きな女じゃなきゃ
抱きしめたいって思わないし
心配ってだけで抱きしめたりしない。」
そう俺が言えば少しAは
ムッとした表情で。
「康二はそんな下心で
私を抱きしめたりしないよ。」
今まで見たことがない表情だった。
目「俺が言いたいのは「めめは！
私と他のメンバーのことそんな風に思ってたの？」
目「違う、違うって。
そうじゃない。」
「私がみんなに助けられてる時。
めめはみんなが下心あってしてるって
本当にそう思ってたの？」
Aがこんなに怒ってるところを
見たのは初めてで。
でも、俺もさっきの康二との光景が
頭からこびりついて離れずにいて。
歯止めが効かないって、
こういうことを言うんだ、、
なんて思ってた。
目「まじでちょっと黙って。」
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作者名：あやぴのかやあ
| 作成日時：2020年8月8日 22時
