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照「A〜次こっちね〜」
「はいっ！すぐ行きます！」
舞台の上を忙しなく動き回るA。
Aにとっては、初の歌番組の収録。
照「大丈夫か？
ここ通路狭いから気をつけろよ」
「ありがと、照くん！」
そう言って去ってく
後ろ姿を見ている時。
照「A！！！」
言葉より先に足が動いてた。
照「おま、、ばかっ！
だから気をつけろって言ったろ！？」
「ごめんなさい、、」
配線に足を取られて今にも
転びそうなAが視界に入った時
体が勝手に動いた。
照「大丈夫？どこも怪我してない？」
「大丈夫！大丈夫！
ごめんね、照くん！」
そう言って去ろうとするAの
手首を掴んだ。
照「嘘じゃん。
足、本当は痛いんじゃねぇの？」
ちょっと座ってみ、と階段に座らせて
足首を触ると、Aは顔を歪ませた、
照「ここ、痛いんだろ？」
「なんで分かったの、、」
照「何年Aのこと見てきたと思ってんの。」
「え、ちょ、照くん！」
慌てるAを
お姫様抱っこしてそのまま楽屋まで運ぶ。
「お、重いでしょ！下ろしてよ！」
照「重くない、うるさい。」
「ねぇ、みんな見てるし、、、
恥ずかしいんだけど、、」
そう言って俺の腕の中で顔を真っ赤にさせる。
照「俺だって恥ずかしいんだよ。
でも、怪我してるA歩かせるわけには
行かないよ。」
そう言ってAを見ると
不自然に目を逸らされた。
「照くんって、
女の子の扱い上手でしょ？」
照「は？笑」
「だって、こんなことされて
嬉しくない女の子いないよ、きっと。」
照「じゃあ、Aは
喜んでくれてるんだ？いま。」
「、、、」
恥ずかしそうにまた俺から目をそらす。
照「はい、到着。」
そう言って椅子の上に座らせれば
大人しく待ってるA。
照「手当をするので足首出してください。」
素直に差し出された足首は
見事に赤く腫れていた。
照「捻挫かな。念の為湿布貼っとくか。」
湿布を貼り終えるとAと目が合う。
「ありがと、照くん」
そう言うと俺の頭の上に置かれた
Aの小さな手。
左右に動かされて初めて
撫でられてるんだと悟る。
照「Aに頭撫でられんの、久しぶりだわ」
「前の私はよくしてた？」
照「いいや、恥ずかしがってしてくんなかった」
でも1度だけ、、、
そう言うとAは
「照が舞台で泣いた日だ、、、」
照「え？」
俺の目の前には
あの頃のAがいた。
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作者名：あやぴのかやあ
| 作成日時：2020年8月8日 22時
