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Aの退院の日、
たまたま休みだった俺が
Aの面倒を見ることになった。
翔「忘れ物ない？」
「大丈夫です！」
そう言うとAは重い荷物を
持ちながら後ろをついてくる。
翔「え？後部座席に乗るの？」
「え、違うの？」
後部座席には入院の荷物やら
俺の荷物で溢れてるのに
そこに座ろうとする。
翔「こっちね。」
そう言って助手席にAを押し込む。
翔「とりあえずAの家でいい？」
「うん。なんか不思議だな。
東京にお家があるのか。」
過ぎていく景色をワクワクした顔で
見つめるAを見ている俺も
口元が緩んでいた。
「本当に私の部屋だ〜！」
飾ってある写真を見たり
忙しそうに動き回る。
翔「あんまり動くなよ。
お医者さんにも止められてるんだろ？」
「なんか嬉しくて！」
そう言って笑うAを見たら
もうお手上げ。
可愛くて反論も出来ない。
翔「とりあえず荷物ここ置くから。
洗濯の仕方とかわかる？」
「洗濯くらい出来ますよ、、多分」
翔「敬語になったりタメ口になったり
忙しいな、Aは(笑)」
じゃあ、荷物も届けたし
俺行くねと玄関に向かうと
不意に掴まれた右手首。
視線を辿ればその先には
少し顔を赤くしたAがいた。
翔「、、どした？」
「もう帰っちゃいますか？」
そんなこと上目遣いで言うのは、、
翔「なんで？」
でも、可愛くて可愛くて
いたずらしたくなる。
「えっと、」
翔「なに？
はっきり言われないと分からないんだけど」
「、、初めての場所で慣れなくて
今日だけ、、一緒に居てくれませんか？」
翔「お前、、それは、ずるすぎ。」
「え？」
翔「いいよ、一緒に居てあげるよ。」
寧ろ、ありがとうなんだけど。
と心の中で思いながらAを見れば
ほっとした顔で俺を見ていた。
翔「まぁ、そりゃ不安か。
で、腕。いつ離してくれんの？」
「え、あ！ごめんなさい！」
そう言って離れるAの腕を
今度は俺が掴んで胸の中に閉じ込めた。
翔「おかえり、A。」
「、、ただいま、渡辺さん。」
翔「前みたいに、翔太って呼んでよ。」
「翔太？」
腕の中で上目遣いで、俺の名前を呼ぶ。
やばいかも、、、俺。
−ピーンポーン−
咄嗟に俺とAの身体は離れた。
モニターに映るのはいつものメンバー。
佐「お届けもので〜す！」
ラ「あけてよ〜！！」
メンバーが来てなかったら
俺はどうしてたんだろう。
日に日に増す思いを
いつかAに伝えられるかな。
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作者名：あやぴのかやあ
| 作成日時：2020年8月8日 22時
