傷痕(SnowMan) (ページ15)

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Aと仲良くなるのに
時間はかからんかった。

康「同じ関西出身って
ほんまに嬉しいっすわ～！」

「私も関西弁聞けて嬉しいです！」

SnowManとして関西から
東京にやってきたはええけど
不安でしかなかった。
俺の居場所はどこにあるんか
自分でも分からへんかった。

「こーじ！遅くなった！」

康「全然待ってへんで！ほな、行こか！」

SnowManになって初めての
大阪での仕事。
俺1人だけの出演やからAが来る必要は
ないはずやったし、ほかのメンバーは
東京で仕事してるから本来はそっちに
つかなあかんかったはず。
やけど、Aは俺についていく。
そう言い張ったらしい。

康「なんで、今日着いてきてくれたん？」

新幹線に乗って隣の席のAに問いかける。

「、、、康二がもう戻って来ないような
気がしたから。」

そう言うとAは、私何言ってんだろ
忘れて、と顔を隠した。

康「どういうこと？なぁ。
ちゃんと教えてや。」

Aの顔を覆ってる腕をどかして
目線を合わせる。

「大阪には康二のこと大好きな人が
たくさんいる。きっと、辛かったら
戻って来いって言ってくれると思う。
でも、私はSnowManから康二が
いなくなることはもう考えらんない。
康二がちゃんと帰ってくるか心配で
、、、着いていくって言っちゃった」

康「まとめると、俺がいなくなったら
寂しくなるから着いてきてくれたってこと？」

そう言うと、まとめないでっ
とそっぽを向いてしまった。

その時、SnowManの中に俺の
帰る場所がもうあるんやって
実感して色んな悩みが吹き飛んだ。

Aがいれば
どんなに辛くても頑張れる。
ほんまにそう思えたんや。

康「初めまして」

「向井康二さん。」
次は俺がAの居場所を作る番。

康「もう、ずっと会いたかった。
メンバーからAの話聞く度に
俺にも会わせろ～って思ってた」

「やっと、会えましたね(笑)」

康「ほんまに、やっと会えた」

しばらく沈黙があって、
咄嗟に出た言葉が

康「あの、、、別に変な意味とかやなくて
、えっと、、、1回抱きしめてええかな？？」

そう言うとAは俺へと腕を伸ばした。
磁石がひっつくみたいに、引き寄せられて
気付いたらAが腕の中におった。

康「いつでも帰ってきてええから」

「え？」

康「俺はAのこと待ってるから」

そう言って頭を撫でる。
小さな声で、はい。そう聞こえた。
腕の中にいるAを
もう二度と手離したくない。
本気でそう思った。