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覆せない 42 ページ42
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｢ふう…｣
｢…｣
｢はあ……｣
｢…姉ちゃんうるさい。｣
｢うるさいって何よお……｣
文化祭の日から数日、
瑞稀くんとも龍我くんとも連絡は取っていなくて。…ていうか、返事するの躊躇っちゃって。
思い出すだけでも…む、無理！
ソファの下でゲームをする弟の後頭部をわしゃわしゃするとリビングを追い出された。
｢んー…あー、…｣
気分を紛らわせようと、とぼとぼ歩いてコンビニに向かう。
すると向かう道の途中、前からふたつの人影が見える。
…え、待って。まって！
くる、と踵を返すも 気づいたのは彼も一緒だったみたいで。私が逃げるよりも先に腕を掴まれた。
｢逃げんな、｣
｢瑞稀くん…｣
｢え？A？こんな夜遅くにひとりで何してんの！｣
｢優斗は黙ってて｣
｢は！？こちとら血縁関係あんだかんな！？｣
お兄ちゃんと瑞稀くんだ、
タイムリーだなあ、もう…。観念して瑞稀くんに向き合うと、少し遅れてお兄ちゃんも私を囲む。
｢なんで返信してこないの｣
｢…なんか恥ずかしくて、｣
｢俺の顔ちゃんと見て、恥ずかしくないから｣
｢む、無理！お兄ちゃん助けて！｣
顔を近づけてくるのを避けてお兄ちゃんの背中に隠れる。
強引すぎ、…付き合ってた時はそこに惹かれたわけだけど。凄く好きだったわけだけど！
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作者名：蕎麦リアン
| 作成日時：2019年11月1日 20時
