好きは覆せない！ (ページ32)

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覆せない 32 ページ32

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｢…A｣

｢んー？｣

｢お前、馬鹿なの？ほんっとに馬鹿？いや馬鹿だわ！｣

｢は？急に何？｣

龍我くんと別れて家に帰るとお兄ちゃんが玄関で待っていた。

寒かったでしょ、と言うと寒いに決まってんだろ！と何故か怒られる始末。

馬鹿ばかうるさいし、てかお兄ちゃんにだけは言われたくない。人の事言えないからね！？

｢、なんではしもっちゃん！？｣

｢へ？…あ、文化祭の事？｣

｢ほら…いるじゃん！Aが誘ったら他の用事蹴ってでも行く人が！｣

｢…？いないよ、そんなひと｣

｢あーもう！なんで変な所で鈍感！？｣

信じらんない！とリビングに入って行ったお兄ちゃん。

ブーツを脱ぐのに手間取っていると、なんで着いてこないんだよ！と言いながら戻ってきた。

｢チャック噛んじゃって…｣

｢貸してみ？｣

ぱぱっと噛んだチャックを直してくれたお兄ちゃんにお礼を言って一緒にリビングに入る。

｢文化祭の券を寄越しなさい｣

｢何その口調…はい｣

｢ちゃんと渡しとくからね、あの人に｣

うん、と返して服を着替えに部屋に戻る。

怒ったり優しくなったり、お兄ちゃんの変な態度に何か嫌な予感がするのは気の所為かな…。

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