覆せない 31 ページ31
･
やっぱり橋本先輩だ！
会うといっつもこのイタズラしてくるの、先輩しかいないもん。
｢ど〜したの、こんな所でひとり？｣
｢橋本先輩…人を待ってて。…あ、｣
そうだ、文化祭 橋本先輩についてきて貰おう…！
距離が近過ぎず、遠過ぎず。いちばん最適じゃんか！お兄ちゃんのお友達だし、そこも安心！
龍我くんが落書きに夢中になっているのを確認して両手を顔の前で合わせる。
｢あの、橋本先輩っ、お願いあるんですけど…｣
｢俺に？なになに、言ってみ｣
｢〇〇高の文化祭 一緒に行きませんか？｣
｢え、俺と？瑞稀か優斗じゃなくて？｣
はい！と渋る先輩に食い下がる。
お兄ちゃんは部活、猪狩とミサキちゃんは他の友達と。瑞稀くんはだめ。
｢頼れる人、橋本先輩しかいないんです…！｣
｢大袈裟じゃね！？…んん、瑞稀にバレても知らないよ？それでもいいなら｣
｢、本当ですか！凄く嬉しいんですけろ…けど！｣
｢あは、滑舌の悪さも優斗とそっくり｣
｢やめてください…あの、お兄ちゃんに券渡しとくんで現地集合でお願いします！｣
おっけい、と友達の所へ戻って行った橋本先輩に手を振っていると、丁度 入れ違いで龍我くんが出てくる。
その手には既に分けられたプリクラを持っていて、笑顔で｢はい！｣と差し出された。
｢えへへ…これ、スマホケースに入れていい？｣
｢、うん。｣
…私も入れようかなあ、
シールの中の私達はぎこちなくも笑顔を作っていた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蕎麦リアン
| 作成日時：2019年11月1日 20時
