覆せない 23 ページ23
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｢�盒兇辰討機∈埜紊鉾犹瓩い燭里い帖�｣
｢え〜？…３ヶ月前、かなあ｣
｢割りと最近じゃん！｣
いつもは私に微塵の興味も示さないくせに ノリノリで恋バナをし始めた猪狩の相手をしつつ日誌を書く。
珍しいなあ、猪狩が聞いてくるなんて。
｢じゃあさ、今いいな〜って思う人は？｣
｢なにそれ｣
｢いいからいいから！｣
言われて思いついたのは、龍我くんと瑞稀くん。
龍我くんはふわふわしててたまに抜けてて、なんか分かんないけど放っておけない。
瑞稀くんは強引で、気を抜くと気持ちまで持っていかれて、それでもふとした瞬間に好きだって思ってしまう。
…気の多い女だなあ、私は。
｢…気になる人なんていないよ？｣
｢うっそだあ、絶対いる！今のはいる間！｣
｢いないってば！｣
しつこい！大体瑞稀くんって言ったら根掘り葉掘り聞かれるだろうし、龍我くんって言ったら絶対本人に伝えるでしょ！
どのみち私にいい事ないじゃん。
猪狩は不満を隠そうともせずにLINEを開く。
｢じゃあその元カレについて教えてよ｣
｢ええ…ちょっとだけね。歳上のひとなの｣
｢同じ高校？｣
｢うん。それでね、いつも自分勝手で強引だけど、とっても優しかった｣
｢ふうん…今でもぜってぇ好きじゃん、それ。｣
前の私ならすぐに否定するだろうけど、今は否定しきれないや。
好き…かはわかんないけど。
あ、と猪狩がドアの方を見て声を上げる。
つられて私も目を向けると、
｢A、一緒に帰ろ｣
｢ぇ、もしかして…｣
猪狩がにやにやと破顔する。
ドアの前に、瑞稀くんが手を振りながら立っていた。
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作者名：蕎麦リアン
| 作成日時：2019年11月1日 20時
