好きは覆せない！ (ページ17)

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覆せない 17 ページ17

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付き合っていた頃と変わらないド直球な瑞稀くんの言葉に、堪えきれず目尻から涙がこぼれる。

瑞稀くんなんて嫌いなのに、嫌いだったはずなのに。
こんな単純に気持ちが揺らぐ自分が嫌になる。

｢…ね、やり直そ｣

｢この世でいちばんAを幸せに出来るのは俺なんだよ｣

甘い囁きに脳が痺れる感覚。

…ここにいたら、また好きになっちゃう。
響く危険信号に思わず頷いてしまいそうな体を動かして教室を出る。

その日、瑞稀くんは追いかけて来なかった。

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'ごめん、今日遅くなるかもしれない'

'そっか、ご飯は適当に作っとくから。気にするな'

とてもじゃないけどこんな気分で家に帰る気は起きなくて。

お兄ちゃんにメッセージを送ると何かを察したのか、深く追求してくる事はなかった。

ふらふらと行く宛もなく歩いて行くと、公園が見える。惹かれるように中に入るとどこか懐かしくて。

…あ、ここ、昔よくお兄ちゃんと弟と遊んだ場所だ。

｢変わってないなあ…、｣

あの時は大きく見えたブランコが少し小さいくらい。

ゆらゆらとブランコを漕いでいると、賑やかな声が聞こえてくる。耳をすますとどうやら家族連れみたいだ。

…なんか、悲しくなっちゃうなあ。他人相手にこんな事思っても仕方ないのに。

いつ家帰ろうかな、…弟が寝てからにしよう。

なんて考えながらブランコを揺らす。

｢…髙橋、さん？｣

すぐに通り過ぎるだろうと思っていたら、誰かが私の前で立ち止まった。

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