09. 好きなのに。 ページ9
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Aが出て行った扉をボーッと見届ける。
隣でおーのさんのため息が聞こえる。
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智「追いかけないんだ」
和也「…」
智「……なーんだそれ」
和也「俺が追いかける資格ないから」
智「彼氏なのに？」
和也「自信ない」
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大野さんが興味無さそうな顔をする。
コーヒーを二人分持ってきて、俺の前に一つ置く。
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智「Aに何言った？」
大野さんには何もかもお見通しなのかもしれない。
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和也「…あの時の話は」
智「…」
和也「禁止だって」
智「それで？」
和也「分かった。って」
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「バカだね」って大野さんが小さく呟く。
バカだと思う。自分でも。やること小学生かよって。
でも、そんなことでも言っとかないと不安でどうしようもなかった。
Aが離れて行くんじゃないかって。
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和也「…Aの中でアイツは絶対的な存在で」
智「…」
和也「アイツの中でもAは大切な存在で。」
智「…」
和也「それは一生変わんないんだよ」
智「…」
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和也「Aがあんな泣きそうになってんの、久しぶりに見た。」
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智「…メンドくさいね、二宮君」
真面目に話してんのに、呆れたように笑う大野さんに脱力する。
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智「先生のこと忘れられないなら、二宮君と三年も付き合わないでしょ」
和也「それは分かってるよ」
智「それに、あの二人だって納得して離れた訳でしょ？心配する必要ないじゃん」
和也「それも分かってる。でも、」
智「ブレスレットが無くなって動揺するAを見てると、怖くなった。ってか？」
和也「…」
智「図星だー。ダッサイねー」
和也「うるせぇ」
ダサい。
自分でも死ぬほど自覚してる。どんだけ女々しいんだよ、本当に。
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智「っていうか、この様子だと取り返しつかなくなりそうだけど」
和也「…は？」
どういうことか分からなくて、大野さんを見上げる。
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智「A、バカだからお前の言葉鵜呑みにしてんじゃん」
和也「…」
智「あれだともう先生の話は一生できねーな」
和也「…」
智「そーなると、言えない不満が溜まってどんどん関係悪化。何もしてないのに、勝手に過去に囚われて破局」
和也「…」
智「なんてことになるけど」
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…そうだった。Aはそんなやつだった。
はぁ…って頭を抱えると、大野さんがまた「バカだね」って呟いた。
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きりさく(プロフ) - め ろ ん 。さん» ありがとうございます！読んで頂けて光栄です(^^)嫉妬も二宮くんだから可愛くなっちゃうんですよね〜（笑） (2017年2月16日 18時) (
レス) id: ea9b924c2e (このIDを非表示/違反報告)
きりさく(プロフ) - 愛乃さん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(^^) (2017年2月16日 18時) (レス) id: ea9b924c2e (このIDを非表示/違反報告)
め ろ ん 。(プロフ) - きりさくさん完結お疲れ様です！！ 今まできりさくさんのお話ほとんど読んできましたがこのお話が私は一番好きになりました！！ 二宮くんの嫉妬がただただ可愛かったなぁ… 次のお話も楽しみにしてますね！ (2017年2月16日 8時) (レス) id: 22633c86d2 (このIDを非表示/違反報告)
愛乃 - すごくおもしろかったです！！ (2017年2月15日 22時) (レス) id: eacf15c7ed (このIDを非表示/違反報告)
きりさく(プロフ) - まゆみんさん» コメントありがとうございます！ケチャップ口元に付けなきゃですね！（笑） (2017年2月10日 21時) (レス) id: ea9b924c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年2月8日 0時
