近所の上野くん。 (ページ8)

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中学二年生になり、

上野くんとはクラスが離れた。

奈津とはまた同じクラスになれて、

上野くん居なくて寂しんじゃないの～？とか奈津に言われたけど、

近所だし、

たまに遊べれたらいいかなぐらいの気持ちだった。

けど、中二にもなると思春期なのか

近所だからといって女子と登下校するのが恥ずかしいらしく、自然と上野くんとの関わりが減っていった。

すごい事に、こんなに近距離なのに

特に何もないまま一年が過ぎてしまった。

もう気づけば中学三年生になった春。

クラス替えでは、奈津と離れ離れに…。

最後くらい同じクラスが良かったなと

寂しい気持ちになりながら、他に誰が同じクラスか紙を見て目で追っていると

"上野奏太"

その名前に反応して、無意識に上野くんを探す。

あ！！

見つけたと思ったら、

サッカー部で頭も良くて男女問わず人気者の伊藤くんが上野くんと楽しそうに話していた。

上野くんも、人見知りな感じはしてなくて凄く楽しそう。

中学では友達をいっぱい作りたいと前に話していた上野くん。

恋愛は？とか聞いた事があったっけ。

奏太 " んー、恋愛とか今は興味ないかな。そんな事より友達いっぱい作ってたくさん遊びたい "

そう言っていた。

新しい友達が出来たみたいで私も素直に嬉しい。

邪魔はしないでおこう。

そう思いそちらに背を向けて、奈津の元に歩き出した。