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奏太 side



だいぶ冷え込んだ秋


久々に遊びたいと凛からLINEが来た


こんな寒い日にと思ったが、少し嬉しかった。


体が冷えないように少し着込んで自転車で公園に向かった。



着いた頃には凛はもうベンチに座って待っていた。


赤いコートを着て、

手に息をかけながら寒そうに待っている凛の姿が

なんだか小さく見えて可愛いかった。


俺に気づいた凛に、

じっとこっちを見られながらだったから

あんまりガン見されると恥ずいし

マフラーで口元を隠しながら凛の側に行った。


自分の方が寒そうなのに、俺に缶に入ったホットココアをくれた。


そういう優しいところは出会った時から変わらない。


しばらく話していると突然凛が俺の手を握ってきた。

寒くて握って来たらしい。

内心ドキッとしたし、手を握られて少し嬉しかった。


でもこんな中途半端に女子と手を握って良いのだろうか。と思い俺は自分の持っていたホットココアを凛に渡し、手を暖めさせた。


日が暮れてきて少し暖かくなってきた。

二人で帰り、じゃあ と言って別れた。


" 中途半端に " というと

実は、

一昨日

中一の頃からずっと好きだった江藤 由佳に告白したばかりだ。

中学の卒業式の時に告白しようとしたが、彼女の姿を探す事が出来ず結局高校生になってしまった。

友達から江藤の連絡先を聞き、電話ではあったが告白をした。



結果は振られたんだけど。


正直、凛が俺の事を好きなのは薄々気づいていた。

同じクラスの智花がしょっちゅう好きな食べ物はとか味の好みを聞いては、

翌日凛から俺の好きな食べ物が入った弁当を渡されたり、

調理実習で作ったと言うガトーショコラを友達といる時に渡されたり、


周りから" 彼女から愛されてるな〜笑 "
とかいじられたけど。


いちいち赤面する凛を見ると可愛いと思ってしまうし、もしかしたら…なんて勘違いしそうになる。





だから今日、






凛に手を握られて嬉しかったし


告白も嬉しかった。


けど振られたばっかなのに、


他の子から告白されてすぐOKを出すと、


俺は都合のいい奴になってしまうんじゃないか。


本気な相手に失礼なんじゃないか。と思って






すぐに凛に返事を言えなかった。



凛からは「大丈夫だよゆっくりで!返事待ってるから!」と明るく返信が来た。

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:既婚者ずっちー | 作成日時:2019年6月6日 21時

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