22.ボーダーラインの向こう側(5) ページ28
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ところで、私は今どういう状態なのだろうか。
三橋君の隣を歩きながらふと思う。
学校にいるときのように私の姿が普通に見えている前提で会話しているが、すれ違う人すれ違う人みんな三橋君をぎょっとした顔で見ていくので、正直その認識は改めた方がいいような気がしてきている。
隣の三橋君を伺うと彼もだんだんと表情が引きつってきているので、どうやら同じ結論に至っているっぽい。
「ねぇ、三橋君。もしかしてさ、」
「言うな。それ以上何も言うな」
もしこの仮説が正しいとすると、傍から見たら三橋君ただの変な人だよ。
私の言わんとすることが分かったのか、幾分顔色の悪い彼が私の言葉を遮った。
「俺は不審者じゃない、変質者じゃない」
「あ、自分で言っちゃうんだ……」
私もそこまでは思ってない。
ぶつぶつ言い出した三橋君はいよいよ不審者の様相だった。
「ま、まぁほら、あんまり気にしないで！ ね？！」
「…………」
「あー、えっと、……なんかごめん」
努めて明るく励ましたつもりの私だったが、その声はどう聞いても元気が空回っている。
三橋君も黙り込んだまま私をジト目で見る有様だ。
遂には言葉を失って、私たちは無言で足だけを動かし続けた。
「っうわ！」
「あいた！」
路地の細道から学ラン姿の男の子が転がり出てきたのはそんな時だった。
お互い前を見ていなかったのがよくなかった。
私と勢いよくぶつかった男の子が踏ん張りきれずたたらを踏む。
一方の私は三橋君に背中を支えられていて何とか無事だった。
「あ……っ、三橋さん！」
男の子が焦った様子で三橋君を呼ぶ。
その顔は血まみれで、痛めているのか腕を抑えて足も引きずっているようだ。
だと言うのにそんなことに構う様子もなく、彼は三橋君に詰め寄った。
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玉屋(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます、励みになります！ (2019年3月2日 10時) (
レス) id: 038d2716d2 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 更新、楽しみにしています！ (2019年3月2日 2時) (レス) id: fd73c1c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉屋 | 作成日時：2019年2月5日 9時
